UT検査ペイロードは、ELIOS 3の開発メーカーであるFlyability社が、超音波厚さ計の世界的トップメーカーであるCygnus Instruments社と連携して開発した、ELIOS 3に最適化されたUT検査用デバイスだ。
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UT検査ペイロードを搭載したELIOS 3を用いることで、プラント施設やインフラ施設(道路橋、トンネル、下水道など)、自動車や航空機の工場、船舶ドックなど、従来は足場や特殊な機材等を要した点検対象箇所において、遠隔で安全に、かつ効率的・低コストでドローンを用いた超音波厚さ測定できる。
さらに、高精度な点群データを短時間で取得可能な「測量ペイロード」とUT検査ペイロードを併用することで、従来はそれぞれのチームで行っていた外観目視検査や測量、厚さ測定といった複数の点検作業がELIOS 3のみで実施可能となり、点検業務における作業効率を飛躍的に向上できる。
参考事例:
5年ごとの定期検査が義務図けられている船舶において、足場が必要となる大型船舶のバラストタンクの厚さを測定する場合、UT検査ペイロードを導入することで足場設置などが不要となり、15,000時間の作業を削減した。
また、測量ペイロードと組み合わせることで、従来16名以上で行っていた点検作業を2名で行うなど、効率化・省人化した。
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UT検査ペイロードの機能
プローブヘッド
超音波を発信するプローブ(探触子、接触する部分)は点検対象に応じて、2MHz、5MHz、7.5MHzから選択可能だ。また、プローブを覆うフードには強力な磁石があり、点検時の安定性を向上させる。
2MHz | コーティングなどの減衰材料 |
5MHz | 汎用、深刻な孔食または腐食のある壁 |
7.5MHz | ボイラーチューブなどの小径パイプ、腐食した薄板 |
プローブアーム
プローブヘッドとELIOS 3のガード部分を接続する。プローブアームは、狭いマンホールの通過時や、複雑な空間内で飛行の妨げにならないよう、機体本体側に折りたためるように設計されている。
カプラントディスペンサー(塗布装置)
プローブと点検対象の間には、プローブから発信される超音波を点検対象に伝達するのにゲル状のカプラント(接触媒質)が介在している必要がある。このカプラントディスペンサーは、必要量のカプラントをプローブヘッドに供給し、点検に最適な状態を保つ。
UT検査ペイロードの使用方法
UT検査ペイロードは、プローブヘッドからレーザーポインタが照射されており、パイロットは照準を定めて対象を測定することが可能だ。測定結果は、リアルタイムで表示されるほか、ELIOS 3の飛行位置情報と共に記録され、飛行後の解析時に位置特定できる。
UT検査ペイロードの主な特長とメリット
取付位置が自在なプローブアーム
プローブアームは、ドローンの上部や前面、または下部に取り付け可能。点検対象の位置に合わせて変更可能なため、、幅広いシーンで測定できる。
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カプラント(接触媒質)残量表示
カプラントの残量をリアルタイムに把握することができ、カプラントが不足した場合は、ディスペンサーのシリンジを補充または交換できる。
清掃用モジュール
点検対象物表面の付着物などにより測定が困難な場合、プローブヘッドを清掃用モジュールに交換し、対象を清掃することができる。
清掃後、その位置を位置特定機能でマークできるため、一度機体を戻してからプローブヘッドを交換、再測定時にもパイロットは迷うことなく同じ位置で測定できる。
リアルタイムA-Scan(測定結果の波形)表示
UT検査ペイロードの測定結果は、操縦専用アプリ「Cockpit」にA-Scan結果をリアルタイムに表示されるため、使用するプローブヘッドの選択や清掃用モジュールの必要性など、その場で判断できる。
測定結果の位置特定
専用の解析ソフトウェア「Inpsector」により、飛行中に記録した位置が3Dモデル上に表示される。A-Scan結果の同時表示も可能なため、結果を確認して再測定の必要性など確認できる。
Sea Japanでの展示・デモ
4月10日から東京ビッグサイトで開催されるSea JapanにFlyability社と共同出展し、ELIOS 3 UT検査ペイロードの実機展示およびデモンストレーションを実施する。
会期 | 4月10日(水)~12日(金) 10:00~17:00 |
会場 | 東京ビッグサイト1~3ホール |
URL | https://www.seajapan.ne.jp/ |
展示ブース | No.1A-12 |