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eVTOLは電動モーターでプロペラを回し垂直離着陸を行うエアモビリティで、滑走路などが不要のため災害地や離島などへの大型物資供給などでの活躍が期待されている。
ドローンを始めとする全電動eVTOLは、リチウムイオン電池のエネルギー密度の限界から飛行時間が短く、電池重量によりペイロードが制限される欠点がある。
そこで、電池の代わりに燃料電池やエンジン発電機を搭載し、長距離・長時間飛行を可能にするハイブリッドeVTOLが注目されているという。
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HIENはガスタービン発電機によって発電し、その電力で浮上・推進するシリーズハイブリッド型eVTOLを開発している。ガスタービンエンジンはレシプロエンジンに比べ軽量・高出力であり、将来の大型eVTOL開発への発展性がある。また、HIENの機体は航空力学に基づく翼付きタイプのため、巡航時のエネルギー効率に優れ、高速・長距離飛行が可能だ。
HIENは離陸重量100kgの原理機体により、2023年6月に世界初のガスタービンハイブリッド浮上に成功。来る2024年2月には試作の飛行機型機体によるハイブリッド浮上試験を行い、2024年中にはハイブリッドによる飛行試験を実施するという。
この技術を用いたハイブリッドシステムならびに大型無人機を2025年には販売開始し、2030年を目標として空飛ぶクルマといわれる6人乗りの有人eVTOL(エアタクシー)の開発を計画している。
この今後の開発において、CFRPや樹脂、アルミによる機体の軽量化は必須だ。これらの素材を腐食やゆるみを起こさず安全に締結する締結技術や締結ノウハウも必要となる。
今回の技術提携でこの課題に対し、ヤマシナは高強度アルミボルトなど軽量化ファスニング技術や CFRP 用ナットなど電食対策技術、スレッドフォーミングスクリューを用いたボルトのゆるみ対
策や締結コスト低減技術などを締結ノウハウや試験データとともにHIENに提供する。
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また部品商社である中国山科サービス(以下、CYS)は、HIENの特殊加工部品へのニーズに対し、約200社の加工協力企業をコーディネートし、HIEN の望む部品制作と供給を行うという。
またHIENはヤマシナやCYSが供給するこれらの部品をHIENの実機で評価し、その結果をフィードバックすることでヤマシナやCYSの新製品開発や技術力向上に寄与する。
離島や災害位置への迅速な物資輸送、沿岸警備などで数百kmを長時間飛行し、大量の物資を輸送でき、離着陸地を選ばない大型のeVTOLの開発が期待されている。
これをガスタービン型ハイブリットで実現するHIENに対し、軽量で良質な締結技術や部品をヤマシナやCYSが提供することで、日本の本格的なeVTOLや空飛ぶクルマの実用化期待に応えていくとしている。