本実証では、自動でドローンの離着陸・充電ができるドローンポートを利用することで、あらかじめ橋梁付近にドローンを設置し、自動飛行するドローンの映像を基に、遠隔地で迅速に橋梁点検が実施できることを確認した。
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首都高速道路では、大規模災害発生時における迅速な点検による早期の道路啓開を目指し、これまでドローンを活用した点検手法を検討してきた。
そして今般、災害発生時に実施する高架下からの目視点検では損傷を見つけにくい長大橋を対象として、ドローンの自動飛行による点検の迅速化・確実化に向けた検証を実施した。
本実証の結果より、長大橋における遠隔地からの自動点検に対するドローンポートの有効性が確認できた一方、現場の通信環境がリアルタイムの映像品質に大きく影響を与えることが確認できたため、今後はドローンに適した通信環境の構築も含めて検討を進めるという。
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今後も、本実証の結果を踏まえ、迅速かつ確実に点検を行うために多様な点検手法の確立と体制構築に取り組んでいくとしている。
本実証の概要
- 日時:2024年1月25日
- 場所:小松川斜張橋(高速7号小松川線)、五色桜大橋(高速中央環状線)、レインボーブリッジ(高速11号台場線)
- 概要:
- ①ドローンポート対応型ドローンを用いて、遠隔地(該当項目へジャンプします注1)からの点検開始の指示操作
- ②ドローンポートから自動離陸
- ③対象の長大橋周辺を自動飛行しながら安定した映像を遠隔地にリアルタイムで配信
- ④遠隔地からの帰還指示の操作で同ポートに自動着陸
本実証における役割
会社名 | 役割 | 使用機体名 | 実施場所 |
---|---|---|---|
首都高速道路 | 全体総括 | - | - |
首都高技術 | 進捗管理・安全管理 | - | - |
JDRONE | 実証実験実施者 | AtlasPRO | 小松川斜張橋 |
NTTコミュニケーションズ | 実証実験実施者 | SkydioX2 | 五色桜大橋 |
KDDI | 実証実験実施者 | Matrice30T | レインボーブリッジ |
検証内容と結果
検証項目 | 検証結果 |
---|---|
ドローンおよびドローンポートの適用性 (機種や設置環境、GPS、通信環境など) |
・各ドローンポートは問題なく稼働し、遠隔操作による自動離発着が行えた。 ・GPSや通信は比較的良好で途絶することがなかった。 |
ドローンで撮影した映像の確認方法 (リアルタイムと生データの即時性、同時稼働時の対応) |
・各映像はリアルタイムに確認することができた。 ・同時に各橋梁それぞれの点検を実施することができた。 |
事前に作成した飛行経路により確認できる映像 (映像精度、現場状況の確認) |
・現場の通信品質の違いや機体性能の違いにより映像品質にはバラツキはあったが、被害状況や滞留状況などを十分に確認できる映像がリアルタイムで取得できた。 ・都内ではさまざまな電波干渉があるため、安定した通信環境を現場に構築することが必要である。 |
事前に作成した飛行経路に対する実際の飛行精度 (構造物との適切な離隔保持性など) |
プログラムされた飛行経路から各機体逸脱することなく、安定した飛行を行うことできた。 |
当日の様子
遠隔地(首都高速道路本社 災害対策室)
小松川斜張橋
※JDRONE撮影
五色桜大橋
※NTTコミュニケーションズ撮影
レインボーブリッジ
※KDDI撮影
使用機体と通信環境
JDRONE
イメージ図(機体) | |
寸法 | 445mm x558mm x 18.6mm |
重量 | 1.5kg |
航続時間 | 32分 |
伝送距離 | 10km |
イメージ図(ポート) | |
寸法 | 1600mm x 960mm×420mm |
重量 | 90kg |
NTTコミュニケーションズ
イメージ図(機体) | |
寸法 | 633mm x 569mm×211mm |
重量 | 1,325kg |
航続時間 | 35分 |
伝送距離 | 1km |
イメージ図(ポート) | |
寸法 | 639mm x 688mm x 882mm |
重量 | 46.3kg |
KDDI
イメージ図(機体) | |
寸法 | 365mmx215mm x 195mm |
重量 | 3.7kg |
航続時間 | 41分 |
伝送距離 | 7km |
イメージ図(ポート) | |
寸法 | 1,675mm x 885mm × 735mm |
重量 | 105kg |