ソニーのドローン用カメラ「ILX-LR1」は、12月15日に発売される。カメラの製造はタイで、市場想定価格は税込420,000円だ。
- Advertisement -
同カメラは今回のInter BEE 2023が国内初展示となった。
- Advertisement -
組み込み専用の新型カメラ
ソニーは、αシリーズをB2B向けに展開していたが、バッテリーがないと撮影できなかったり、重量やボディーが大きいためドローンや工場での設置性が悪いといった話があったという。
今回はそれぞれのフィードバックを受け、組み込み向けのカメラとして、新しく開発したカメラが「ILX-LR1」だ。
産業用カメラのため、操作タッチパネルもEVFもない。バッテリーも実装されていないため、撮影は外部給電に依存している。それだけ機能を削ったことで、コンパクトなボディになっており、狭い場所にも設置しやすいカメラとなっている。ドローンに搭載する場合でも、αシリーズのカメラを搭載するよりは、はるかに軽い約243gだ。
手持ち撮影できないため、同社提供SDKを使い、コンピューターから制御でのリモート撮影カメラとなる。
カメラのスペック的にはα7シリーズとほぼ同等
静止画性能では、α7R Vやα7CRなどのフルフレームの6100万画素のイメージセンサーを搭載、α7 シリーズ同等のカメラといえる。動画の方は4Kの60fpsになる。
- Advertisement -
レンズ交換式で、Eマウント形式のレンズを十分に活かせるカメラとなっている。
カメラを制御するSDKは、簡単に組み込み可能で、カメラはホストコンピューターと有線接続して、その先は無線やLTEで、コントローラーとなるPCと接続して制御可能だ。カメラのホワイトバランスやISO、F値の変更、撮影動作も遠隔制御できる。
ソニーのαシリーズとこのカメラを作っているチームが同じため、SDKのUIもαシリーズと同様になっている。
メインはドローン用途だが、それ以外の用途開拓を目指す
もちろん海外展開する予定であり、実際に海外企業からの問い合わせもあるという。具体的には、複数のカメラで被写体をさまざまなアングルから撮影して立体的な3DCGモデルを作成する「フォトグラメトリー」の用途での相談や、自動車の点検システムを提供しているベンダーから相談など、引き合いはあるそうだ。今後、様々な展示会に出展して、用途を開拓していくという。
日本のドローンメーカーではすでに双葉電子工業が、同社のドローンに対応すると発表している。
現在、点検ドローンなどの産業用ドローンでは国産ドローンのニーズが高まっており、今後ドローンにアタッチされた「ILX-LR1」を目にする機会が増えていくだろう。