同契約は、ACSLおよびフィックスターズが相互に人材・技術等を提供しあうことで、ドローンの自動運転技術の普及期に向けて、実用性の高いアプリケーションを開発するための環境整備を共同で推進することを目的としている。
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そして、ACSLの国産ドローンの開発環境がオープンになり、ユーザーはセキュリティーを確保したまま自社でのアプリケーション開発が可能になることで、国産ドローンのより一層の普及を目指すとしている。
ドローンの自動運転技術と市場環境
ドローンの自動運転技術は、近年、急速に進化し、先進的なセンサー技術やAIアルゴリズムの発展により、ドローンは複雑な環境下でも高度な自動飛行ができるようになってきた。これにより、都市空間での配送、大型設備や危険区域の点検、災害時の救助活動など、多岐にわたる用途での活用が期待されているという。
さらに、自動運転技術の進展は、ドローンの運用コスト削減や安全性向上に寄与しており、その普及は今後も加速していくと予想される。
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ドローンを社会に広く浸透させ、用途拡大を進めるには、高度なセンサーやAIアルゴリズムの技術開発に加えて、エンドユーザーのニーズを正確に把握し、それに応えるアプリケーションの開発が不可欠だと考えられている。
こうした背景から、ドローンの用途を拡張させるための環境認識や衝突回避、目的地までの経路探索の精度の向上などの開発に必要とされるオープンなソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)の普及と環境整備が鍵となるとしている。
両社の強みと協業の狙い
フィックスターズは、機器に搭載された半導体の性能を極限まで活かすプログラミングに長年従事し、自動運転や画像認識AIなどの応答速度が要求されるソフトウェア開発において多くの成果を上げてきた。また自動運転用のAI半導体や量子コンピューティング事業などの先端分野におけるSDKの開発でも、多くの実績を残している。
ACSLは、2021年12月に国産の小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)を発表し、現在までに約670台を販売。世界的な経済安全保障を重視する流れを受けて、セキュリティー対策が可能なSOTEN(蒼天)は日本国内だけでなく、米国や台湾市場などの海外市場でも注目されている。
SOTEN(蒼天)の機体開発に関する知見とこれまでに得た市場からのフィードバックを活かし、フィックスターズと共にドローンの拡張性を高めるアプリケーションの開発をするためのSDKを共同開発するに至った。
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ACSLの「実用性・信頼性の高いドローン開発の技術力」と、フィックスターズによる「コンピュータの計算能力を引き出す、SDK開発の技術力」を掛け合わせ、市場の黎明期から共同で技術開発を開始し、国産ドローンの開発環境のオープン化を目指すという。
そして、自動運転技術によるドローンの拡張性を高める市場ニーズに応えた、新たなソリューションの提供を具現化していく方針だ。
ACSLの代表取締役CEO 鷲谷聡之氏は次のようにコメントしている。
鷲谷氏:お客様からの国産ドローン、セキュリティー対策が可能なドローンへのニーズは高まる一方で、すでに自社開発しているソフトウェアとの連携や要望に合わせた機能の開発を求める声を多くいただいておりました。
この度のフィックスターズ様との協業でオープンなソフトウェア開発キット(SDK)を共同開発することにより、ACSLが提供する国産ドローンSOTEN(蒼天)においてお客様自身での開発が可能となり、今まで以上にSOTEN(蒼天)の使用用途が広がるものと期待しております。
フィックスターズの代表取締役社長 三木聡氏は次のようにコメントしている。
三木氏:ドローンの自動運転技術が進化し、高精度なセンサーとAI技術との深い連携がソフトウェア開発にも求められています。ACSL様との協業を通じて、当社の豊富なSDK開発実績に下支えされた、オープンで使いやすいソフトウェア開発キット(SDK)をお客様にお届けし、ドローン技術の実用化と社会実装に貢献してまいります。