使用した機体は、ACSL社製の「PF2-CAT3」で、2023年3月に「第一種型式認証」を取得し、同月に実施された日本郵便のレベル4実証時と同じ仕様だ。周辺監視用のカメラなども、すぐ近くに設置されていた。
- Advertisement -
飛行ルートは、沖縄県久米島町Aコープ久米島店から、旧仲里間切蔵元跡(真謝地区)の約2.3km。住宅地や道路の上空を横断する経路になっている。
真謝地区の住民が、Aコープ久米島店に電話注文したお惣菜などの品物を、ANAホールディングスが受け取り、ドローンで配送した。飛行時間は約5分弱。
旧仲里間切蔵元跡から注文者の自宅までは、地元のボランティアの方が歩いて届けた。距離は50mほどで、すぐに着いた。
- Advertisement -
注文者(50代女性)は、「足が悪くて取りにいけない高齢者も多いので、自宅までドローンが届けてくれるなら、もっと利用したくなるのでは」と語っていた。
当日は、ANAホールディングス執行役員で未来創造室 室長の津田佳明氏も出席した。
津田氏:レベル4による省人化で、事業採算性が見えてくる。注文した方から、ちょうど車を車検に出していてAコープに行けないので助かるという話を聞いて、改めていろいろなニーズがあると感じた。今回は島内物流の実証だが、今後は固定翼機を活用して、沖縄本島と久米島の間にあるいくつもの有人離島をカバーできるような離島間物流も目指したい。
「一等無人航空機操縦士」資格を取得して、自らレベル4のオペレーションを担当した、ANAホールディングス 未来創造室 モビリティ事業創造部 ドローン事業グループの青柳氏は、安全運航管理体制への取り組みについてさらなる意気込みを語った。
青柳氏:航空機の知見を活かしたマニュアルの作り込むことで、1人でもしっかりと安全運航できる結果を得られた。航空局様に承認いただいたマニュアルは、今回作り上げて完成ではなく、航空機と一緒で、運用することで完成度を高め、初めて安全なオペレーションになっていくと考えている。今後もさらに規定やチェックリストを作り込んでいきたい。