JTBとMURCは、両社が持つ強みである全国の自治体やJAXA、宇宙関連企業とのネットワークと産業構造変革に向けた提供機能を活用した、国内のスペースポートや宇宙産業拠点への視察や企業マッチング、ファイナンスやコンサルティングを一気通貫型で提供するサービスを通じ、宇宙産業の地域産業化による「宇宙の街づくり」に寄与することで、多くの地域で課題になっている産業構造変革に向けた課題解決や関係人口の増大をめざしていくという。
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協業の背景と目的
宇宙産業は2040年に市場規模140兆円と予測され、世界中の国や企業の参入が加速している。内閣府が3年ぶりに改定した「宇宙基本計画」においても、2020年に4兆円の市場規模を8兆円への拡大をめざすことが謳われている成長産業だ。経済安全保障の問題などの懸念もあり、宇宙産業においてもサプライチェーンの国産化による国内市場拡大をめざしている。
一方、宇宙以外でも産業構造の急激な変化を受けて、例えば自動車産業の中小事業者を多く抱える自治体が、自動車産業で培われた高い技術を先端技術へ応用するためにマッチング支援する取り組みを始めているなど、特に製造業のサプライチェーンを担っている地域の自治体、事業者においては既存の産業構造からの脱却に向けた取り組みが活発化している。
MURCは、総合金融グループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、新産業創造に向けた戦略・計画策定を官民それぞれに対し行っており、MUFGの顧客基盤・金融機能を活用した実装力や、地域内企業の市場・技術分析を通じた支援に特徴があります。宇宙産業に関してもESGや非宇宙産業からの技術転用といったテーマでJAXAをはじめとした宇宙関連プレイヤーからの調査・受託研究を実施してきた。
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JTBは、「交流創造事業」を事業ドメインとし、全国に広がるネットワークを活かしさまざまな人流・物流・商流の創造による交流人口の拡大を通じて、地域や観光事業者の課題を解決する支援を行っている。その一環として、これまで国内のスペースポートや宇宙拠点への視察ツアーはもちろん、宇宙ビジネス講演会、宇宙産業と地元関係者によるワークショップ、学生向け宇宙体験コンテンツ開発など、全国で宇宙関連のサービスを手掛けてきた。
この度、両社の強みを統合し、「宇宙産業を活かした新たな街づくり」に向けた宇宙産業参入の継続的な支援を通じて、地域の産業構造転換や関係人口の増大につなげるため、協業するに至ったという。
想定トライアル内容
既に宇宙産業に取り組む企業・地域のほか、宇宙産業への取り組みを開始するプレイヤーにとってのニーズも含む、一気通貫型のサービスを複数地域で提案・トライアルを通じて課題や効果を検証していく。
宇宙産業の視察・体感(JTB)
- ・国内外スペースポートや宇宙産業拠点の視察支援
- ・未来を担う子供たちに向けた「教育×宇宙」をテーマに宇宙産業を視察
(プログラムの具体化と体験コンテンツ、視察ツアーの企画・実施)
調査・戦略策定・計画具体化(MURC)
- ・地域の宇宙産業拡大に向けたポテンシャル調査や、地域の強みを活かした戦略策定、調査業務
組織・イベント運営支援(両社)
- ・宇宙関連事業に関する協議会やセミナー開催の支援
アライアンス協力(両社)
- ・地域産業特性や企業の現有技術評価に則った、提携先となり得る企業・自治体・学術機関等の紹介
事業拡大・横展開(両社)
- ・企業の事業開発・販路開拓や地域間連携による人流創出等を通じて地域における宇宙産業拡大の発展に寄与
持続化支援(MURC)
- ・地域産業化に向けて必要となる資金をはじめ、各種経営資源に関する相談対応
今後の展開(現時点想定)
- ・2024年度上期まで(トライアル期間)
:3~5箇所の先行地域でニーズ検証等を実施し、課題や効果を明確化する - ・2024年度下期以降
:トライアルを通じたサービス開発や地域拡大、パートナリングを実施した上で本格的な活動を開始し、25年度には10以上の地域へ拡大する
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本取り組みを通じて、地域の産業構造転換や関係人口の増大につなげるため、宇宙産業の視察、調査、戦略策定・計画化、アライアンス、事業拡大、持続化(資金調達含む)支援まで、地域産業の宇宙参入に向けた一気通貫の体制を整えていくとしている。