背景
昨今は人手不足が深刻化する中、製造業を中心にロボットハンドが有力な対策のひとつとして注目を集めている。しかし、従来のロボットハンドの多くは、カメラによってセンシングを行うことから死角ができやすく、どうしても対処が難しい作業(もしくは事前のティーチングに大きな手間や時間がかかる作業)がいくつかあった。
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その中でも実現が望まれているのが、ランダムに置かれた部品などのピッキング(ばら積みピッキング)だという。多様なリクエストに応じた少品種・少量の生産が求められ、スピード感を要するいまのような時代には、事前のセッティングに時間がかからず、かつその場で柔軟な対応(ばら積みピッキング)ができる能力がロボットに求められる。
こうした社会の実情やニーズを踏まえて、Thinkerでは、出荷を開始した「近接覚センサーTK-01」の提供に加えて、同じく近接覚センサーの技術によって「ばら積みピッキング」を実現できる次世代型のロボットハンドの開発・製品化に着手することにしたという。
同社の開発テーマでもある「3歳児でもできるのにロボットにはできない動作の実現」のひとつとして、2025年度の製品化を目指して取り組んでいくとしている。
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Thinker開発拠点にプロトタイプ
Thinker開発拠点「シンカイ」にて、2023年8月4日までプロトタイプを見ることができる。
[「シンカイ」へのアクセス]
所在地 | 〒631-0801 奈良市左京6丁目5-2 |
アクセス | 近鉄京都線「高の原駅」からタクシーまたはバスで約10分(バスの場合は、「16または17系統(左京循環)」に乗車、「ならやま研究パーク」で下車、徒歩1分) |
予約 | 事前予約制。株式会社thinkerの公式サイトより問い合わせ |
近接覚センサーTK-01
7月31日より順次出荷されている「近接覚センサーTK-01」は、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できるセンサー。これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性を飛躍的に広げることができるという。
また、ティーチングの時間や労力を大幅に軽減できることから、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用も期待されている。