同装置は、従来は地上の計算機で行っていたデータ処理を、高速処理が可能なFPGAに適したアルゴリズムに書き換えてファームウェア化することにより衛星搭載用の装置として実現したものだという。
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SAR(合成開口レーダー)は、電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長だ。
JAXAとQPS研究所は、同装置を2023年6月13日に打ち上げられた「アマテル-III」に搭載し、軌道上での技術実証に係る共同研究を行っている。
今回、「アマテル-III」の軌道投入後の初期チェックの一環として、あらかじめ衛星内に格納していたSARデータに対し、同装置を用いて軌道上で画像化処理を実行した結果、高速(約23秒)での画像化に成功した。
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さらに圧縮処理することで、地上への送信データ量を生データ送信時の1/1000以下(0.0845%)に圧縮することができ、地上でのSAR画像入手までの時間を大幅に短縮できたという。
同技術実証により、ユーザーがリクエストしてからSAR画像提供までの即応性がより高まることが見込まれ、QPS研究所が目指す36機の小型SAR衛星コンステレーション※による準リアルタイム観測データ提供の実現に向けてさらに前進し、新たな価値の創出および社会課題解決の可能性、そして新しいビジネス展開が期待できるという。
※複数の人工衛星によって、高頻度な地球観測を可能とするシステム
今後、JAXAとQPS研究所は、共同で軌道上実証結果の詳細解析を進めるとともに、「アマテル-III」で取得したSARデータの軌道上画像化処理を継続して実施するとしている。