今回の実験には2種類の自動離発着・充電を行うドローン基地『Skydio Dock』『SENSYN Drone Hub』を活用。ドローン基地は自動で離発着・充電を行い、煩雑な操作を必要としないため、作業員が都度現地に赴く必要がないという。自動飛行により均一したデータ取得が可能になり、ドローンの運用の省力化・無人化できる。
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研究目的
山頂部のマイクロ波無線中継所では自然災害による倒木や冬期間の積雪により車両が通行できなくなるリスクがあり、設備の異常時には通信センターの所員や協力会社の社員が徒歩で向かい、無線中継所の設備や配電線巡視路の状況を確認することがあるという。
このため、本研究では山頂のマイクロ波無線中継所に設置したドローン基地からドローンが自動で離発着を行い、ドローンの自動飛行により遠隔で無線鉄塔やアンテナ、無線中継所構内の設備や配電線巡視路などを確認する方法を調査および検討し、設備保守業務の安全性向上や効率化に寄与するための研究を実施した。
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実証実験内容
本実証実験では、ドローン(Skydio2+)およびドローン基地『Skydio Dock』を使った自動飛行ルートの作成およびクラウドプラットフォームを経由した自律飛行を実施した。
Skydio機は、Visual-SLAM*という技術を搭載し、GNSS(全球測位衛星システム)の電波が届かない屋内でも自己位置推定を行うことができるため、障害物をAI処理しながら自動回避して飛行することができる。また、遠隔地からでも離陸ボタンを押すだけで自律飛行が可能。
屋内においては、通信センターから遠隔での屋内設備(通信機械室、電源室)を問題なく自律飛行を行い、設備巡視に適した画像データを取得。
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屋外においては、無線中継所内の無線鉄塔に設置されたパラボラアンテナおよび導波管の巡視を実施。Wi-Fi環境を構築し、塔頂となる60m上空まで飛行させて、屋外の無線鉄塔の巡視用の画像データ取得に成功した。
屋内外設備(通信機械室、電源室、無線鉄塔)の飛行ルートをシームレスに自律飛行を行い、遠隔からの屋外/屋内飛行を行ったという。
また、『SENSYN Drone Hub』を用いて巡視路の遠隔監視を想定した自動飛行の検証を実施。無線中継所内を起点に、非常災害時の巡視路の状況確認ができる飛行ルートを作成し、状況確認に必要な画像データを取得できたとしている。
*Visual-SLAM…visual Simultaneous Localization and Mappingの略。カメラ画像を中心とした自己位置推定と環境地図作成技術で、自律移動ロボットの制御などに利用される。