背景・目的
近年、宇宙産業は多くのスタートアップ企業や他業種からの参入など盛り上がりを見せている。この宇宙産業において、フォトロンのハイスピードカメラおよび画像解析システムは世界中の企業、研究所、大学で使用されてきた。その用途は要素研究から開発、実際の打上げまで多岐に渡り、様々な側面から宇宙開発に貢献してきたという。
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多くの事業者に求められる技術力や開発スピードUPの過程において、シミュレーションは欠かせない。だが、現在のテクノロジーではシミュレーションと、現実の結果が必ず一致するとは限らず、実験もまた欠かすことができない。ハイスピードカメラは肉眼や通常のビデオカメラでは捉えられない瞬間を捉え、画像解析システムとの連携で実現象を数値化することが可能だ。同社は実験とシミュレーションを、画像や数値で比較することで開発精度の向上に寄与している。
フォトロンは、2018年のMOMO2号機から、打ち上げ時の撮影協力を実施してきたが、打ち上げに留まらずロケット開発を幅広く支援するべく、ゴールドパートナーとして「みんなのロケットパートナーズ」(みんロケ)に参画することになったという。
インターステラテクノロジズとの相互協力で、宇宙産業の更なる成長と発展に貢献し、誰もが宇宙に手が届く未来を共に創造するとしている。
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今回の主な取り組み
2023年2月には第一弾として、福島県相馬市の福島ロボットテストフィールドにて行われた「フェアリング分離放てき試験」をサポートした。
概要 | 高性能ハイスピードカメラによる高解像度のスローモーション撮影および画像解析ソフトを使用した、受託撮影と受託解析を実施 |
実施内容 | フェアリングにつけたマーカーを複数台のハイスピードカメラで同期撮影し、フェアリングの分離挙動を3Dで画像解析しました。解析の結果、フェアリング分離挙動の分析に必要なデータを取得 |
ポイント | ハイスピードカメラはもちろん、撮影に必要なレンズ、照明、三脚、ケーブルなどを一式全て準備しセッティングから解析結果のお渡しまでを受託解析サービスとしてワンパッケージで提供 |
インターステラテクノロジズ株式会社代表取締役社長の稲川貴大氏は、次のようにコメントしている。
稲川氏:当社は現在、超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発を加速させています。これからの宇宙輸送はコスト・頻度・信頼性と様々な課題を解決しなければなりません。事業を成功させるためには信頼性の高いロケットにすることは非常に重要です。信頼性をあげるためには、各部品の試作・試験を確実に実施することが必要です。
今回の試験はロケットの"積み荷"にあたるペイロードを保護する重要部品です。株式会社フォトロン様より高度な機材・解析能力によるサポートをいただけたことは、大変心強く、またうれしいご支援でした。
これまでに良好な結果が得られたことが解析結果から確認できており、また一歩ZEROの開発が進んだことを実感しております。今後も、フォトロン様をはじめとした「みんなのロケットパートナーズ」の各社/各団体の皆様と一緒に、私たちが目指す「誰もが宇宙に手が届く未来」を実現できるよう前進してまいります。