ドローンが、移動する自動運転車の位置に合わせて離着陸することに成功したのは日本で初めてだという。
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同実証は荷物を載せたドローンが自動運転車上から飛び立ち、中山間地域を飛行したのち、自動運転車上へ帰還するシナリオで実施した。実証にあたり高精度位置測位を活用。2社は今後、労働力不足が顕在化する2030年頃を目途に、都市部からの大規模な配送は自動運転車、陸上からの輸送が困難な経路ではドローンで配送を行うといった未来の荷物配送サービスの社会実装を目指すとしている。
なお、同実証はKDDIスマートドローン株式会社、株式会社KDDI総合研究所および株式会社ティアフォーの協力のもと実施された。
背景
2030年の日本において、急速な人口減少に伴う労働力不足が課題となっている。特に中山間地域では公共交通機関の縮小や小売業者の減少など、日常生活を営む上で必要となる買い物が困難になる人の増加が予想される。そのような課題を解決する手段として、自動運転車やドローンなどのスマートモビリティの活用による自動配送の仕組みを構築することが重要となっている。
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同実証の概要
同実証では、自動運転車の走行とドローンの運航を統合管理する「協調制御プラットフォームや高精度位置測位を活用し、中山間地域に対して自動運転車とドローンを組み合わせて自動荷物配送を行うユースケースを想定している。
協調制御によるドローンの着陸位置の制御
配送の効率化のため、自動運転車がドローンを飛び立たせた場所から移動しなければならないケースや、ドローンが飛び立った自動運転車とは異なる自動運転車に帰還しないといけないケースなどが想定される。同実証では、同プラットフォームを用いた協調制御により自動運転車の位置情報を参照しながらドローンを逐次制御することで、ドローンが正確に自動運転車上に着陸できることを確認した。
衛星通信を活用したドローン飛行
ドローンにはセルラー通信と衛星通信の両方が利用可能な通信モジュールを搭載。セルラー通信が利用できないエリアであっても衛星通信に切り替えることで、同プラットフォームとの接続性を保ったまま自動飛行を行えることを確認した。
高精度位置測位を活用した目視外飛行および着陸指示
ドローンにはKDDIが提供するPPP-RTK方式の高精度位置測位サービスを活用。PPP-RTK方式は、PPP方式のカバー範囲の広さとRTK方式の測位精度の高さの両者のメリットを併せ持ち、モビリティ性を高めた新しい高精度位置測位の方式だ。PPP-RTK方式を活用することで平均してセンチメートル単位でドローンの位置を把握することが可能となり、自動運転車への着陸を実現した。
将来的な取り組み
自動運転車とドローンを活用した自動荷物配送サービスの社会実装に向けて、荷物配送計画から配送・帰還までをすべて自動で行えるよう同プラットフォームの機能を拡張していく方針。
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拡張予定の機能
- 複数台の自動運転車とドローンの協調制御を行う機能
- 自動運転車やドローンが取得したカメラ映像や点群データを集約し、高精度な三次元地図の生成・更新を行う三次元地図基盤
- 三次元地図基盤を活用したドローン飛行経路の自動生成機能
各社の実施内容
KDDI |
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アイサンテクノロジー |
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KDDIスマートドローン株式会社 |
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株式会社KDDI総合研究所 |
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株式会社ティアフォー |
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なお、同実証は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下:NICT)から受託した「スマートモビリティプラットフォームの実現に向けたドローン・自動運転車の協調制御プラットフォームの研究開発(採択番号: 01601)」の一環として行われた。
両社は同プラットフォーム開発を通じて、スマートモビリティが社会システムのプラットフォームの重要要素として実装されるだけでなく、協調・連携することで自然な形で生活に入り込む社会の実現に貢献していくとしている。