研究目的
同研究は、2022年にJAXA宇宙探査イノベーションハブが募集した研究課題「透明超硬膜の研究開発」に対する研究テーマとして採択された。
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東海光学は、屋外環境で使用される照明(道路埋込型照明・道路鋲、空港滑走路の誘導路灯、屋外表示灯)やセンサー用(監視カメラ、人感センサー、太陽電池)の光学部品には、耐キズ性能の他にも、高い耐環境性能、耐薬品性能が求められることから、過酷な環境下でも使用可能な透明で硬質かつ耐環境性能に優れた「超硬度コーティング」を開発・提供している。同社はその技術を活かし、宇宙への貢献を目指すとしている。
この研究では月面探査活動において、光学部品であるガラス等の表面にレゴリス(月の表面を覆う砂)等の砂礫が衝突、摩耗することで光学特性が劣化する恐れがあるため、材料表面の硬さによって、より軟らかい部材に傷が入ることから光学材料表面を砂礫よりも硬くすることが求められるという。
たとえば、月面着陸機が月面着陸する際、スラスタ(小型のロケットエンジン)噴射によってレゴリス等のまき上がることで、高速で砂塵が衝突することが予想される窓、カメラのレンズ、太陽電池表面、月面上の誘導灯や管制塔等へ適用できる高い表面傷防止能力を持つ窓材の現地生産の可能性が上がるという。