株式会社天地人は、EC(欧州委員会)とESA(欧州宇宙機関)が衛星データを利用したビジネスアイディアを募る国際的なコンテスト「Copernicus Masters」日本大会で優勝した。
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Copernicus Mastersは、欧州宇宙機関のESAがビジネスアイディアを募る国際コンテスト。地上・海上・大気環境の監視や安全保障に関する、社会やビジネスにおける衛星データを活用した革新的な発想・ソリューション・開発に対して賞が贈られる。JAXA認定の宇宙ベンチャーである同社は、今年で2回目の開催である日本大会で優勝を果たした。
天地人は、気候変動による社会・経済リスクに対応するための地球観測ソリューションを提供しており、Copernicus Mastersでは、「水不足」「干ばつ」といった地球規模の課題解決に繋がる提案をした。
今後は地方自治体のための「漏水調査支援ツール」や、地球規模で水不足・干ばつに対応可能なツールの開発を進めていくとしている。
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天地人のプレゼン内容
干ばつは開発途上国だけでなく、先進国でもますます深刻になっている。そのような中で、現在日本では、水道管路の老朽化により、全国年間生活用水量の約8%を漏水
として失っている。さらに、全国総距離の約18%の水道管路が、法定耐久年数を超えているが、水道管路の点検や維持、修繕にかかる多額の費用が、各自治体で課題となっているという。
一方、日本の漏水率は、海外の都市と比較すると低くなっている。近年、気候変動の熱波による水不足・干ばつ問題が世界的にますます深刻化しており、2050年には世界人口の75%に影響すると言われている。
このような世界的な漏水問題に対応するため、天地人は2022年07月に土地評価ツール「天地人コンパス」のフリープランを公開した。
また、地方自治体の漏水問題に対応するため、天地人コンパスと漏水データを掛け合わせ、100m単位でマップをメッシュ化して漏水のリスクが大きい区域を識別できる、漏水リスクマップを開発。現在、同ソリューションの実証を、愛知県豊田市と共同で行っている。実証は2023年3月まで行う予定だという。同実証において、同社は、漏水可能性区域の識別とフィールド調査結果に基づいたAIによる漏水可能性判定の分析、およびこれらの精度向上を目指すとしている。
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今後の展望
今後は、地方自治体のための「漏水調査支援ツール」を開発し、他の地方自治体へ提供することを目指しているという。さらに同社では、地球規模の課題である水不足・干ばつに対応できるツールも同時に開発している。UNDPのSHIPプラットホームを通じて降雨情報を農家に提供するモバイルアプリを開発し、ブルキナファソにて事業化を進めている。
今後も、漏水問題に対するソリューションを進化させ、人や環境に優しく、快適に暮らせる社会の実現を目指していくとしている。