同覚書により、SkyDriveは、設計開発中の「空飛ぶクルマ」の商用機「SkyDrive式SD-05型」(以下:SD-05)の最大100機のプレオーダー(10機の確定、90機のオプション)を合意した。
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提携の背景と今後の取り組み
SkyDriveは現在、小型で電動、2人乗りの空飛ぶクルマ「SD-05」の開発に取り組んでいる。2021年10月には、国土交通省がSD-05の型式証明申請を受理し、日本で初めての型式証明取得を目指して開発を推進している。
Pacific Groupは、ベトナムにおける鉄道や高速道路など、国から公共の仕事を受託し、インフラ開発を行っている。ベトナムでは日常的に深刻な交通渋滞が発生しており、社会問題となっている。SkyDriveとPacific Groupは、この社会課題を解決するためには、空飛ぶクルマの活用が重要として、同プレオーダーに合意することとなったという。
今後SkyDriveとPacific Groupは、ベトナムにおいて空飛ぶクルマの活用による社会課題解決を目的として、運航オペレーター、バーティポート(離発着場)や給電インフラなど、実現にあたり必要なあらゆるステークホルダーと共に協力して進めていくとしている。
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株式会社SkyDrive代表取締役CEOの福澤知浩氏は、次のようにコメントしている。
福澤氏:ベトナムの名物とも言える、都市部のバイク、自動車がひしめき合う道路は、活気があり刺激的に感じます。しかし、一方で交通渋滞という社会問題を引き起こしているという現状、また排気ガスを多く排出するという環境問題を考えると、解決する必要がある重要な社会課題の一つかと思います。
バイクや自動車の数は増加するばかりで、道路や駐車場の整備に時間を要する状況の中、空を使った移動手段「空飛ぶクルマ」をベトナムの新しい交通インフラの一つとして整備し、ベトナムの社会課題の解決に貢献できると嬉しく思います。国内に多種多様なビジネスネットワークを持つPacific Groupと提携し、Pacific Groupと共にベトナム市場に「空飛ぶクルマ」という新しい移動方法と、移動の楽しみを提供できることを楽しみにしています。
また、Pacific Group Co Ltd会長兼社長のLe Ngoc Anh Minh氏は以下のようにコメントしている。
Minh氏:ベトナム政府は、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)で、2050年までに温室効果ガスの排出量を正味ゼロにすることをコミットしました。これにより、ベトナムの企業や地域は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスや有害物質を極力排出しない、高い環境調和性を持った先進エネルギー(ゼロエミッションエネルギー)を使用する傾向にあり、今後、ゼロエミッションエネルギーを使用した移動手段は必須になると思います。
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一方で、ホーチミン、ハノイ等のアジアの大都市で、新しい交通手段を提供するためには、空飛ぶクルマが必要だと感じています。そのために、Pacific Groupは、SkyDriveやベトナム運輸省、ベトナム民間航空会社、ベトナム防衛省などの複数の当局と密接に連携し、空飛ぶクルマに関する動向や技術を説明し、航空許可と規制緩和をする必要があります。交通機関や規制、社会受容性等、障害が沢山ありますが、Pacific GroupはSkyDriveと共に一つ一つ解決していきたいと思っています。
来年2023年はベトナムと日本の外交関係樹立50周年を迎えます。Pacific Groupのビジネスの為だけではなく、両国の化学と友好関係を強化するためにも、SkyDriveと共に活動を行っていきたいと思っています。
「SD-05」の概要
SD-05は、「電動」「垂直離着陸」といった特徴を備えたコンパクトな航空機。2人乗り(乗客1名とパイロット1名)で、パイロットが操縦しますが、コンピュータ制御のアシストにより、飛行を安定させている。同社は、将来的に「空飛ぶクルマ」が、自動車のように日常的に空の移動手段として使われる世界を目指して、開発を進めている。
この機体は、日本で初めての国土交通省の型式証明取得を目指しており、事業開始の皮切りとして、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現を目指しているという。最大航続距離は約10km、最高巡航速度は100km/hで移動できるように設計。ただし、今後の設計開発の進捗によりデザインや仕様変更の可能性があるとしている。