同社製高級車・A6の生産施設は、10万m2の広さをスキャンするのに、従来は一交代制で約3週間かかり、作業は日中作業の妨げにならないよう、夜間または週末にしか実施できなかった。また、階段やドアなどの構造上の障害物があれば、都度作業が滞っていたという。
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この状況を改善するため、Audiでは2017年に13の工場(約400万平方メートル)を対象に、生産拠点のDX化を開始。導入されたSpotは、自動的にスキャンルートを把握し、48時間でスキャンを完了できる。スキャン対象は、新しいアウディモデルに加え、製造現場、コンベアテクノロジー、ツール、棚、コンテナも含まれている。
プロジェクトマネージャーであるアンドレ・ボンガルツ氏は、次のようにコメントしている。
テスト結果は非常に有望であり、定期的に更新できます。入力データは絶えず入ってくるので、新しいクルマの計画に使用できます。デジタルツインのすべての計画データを統合することで、将来の生産計画の全体像を、何年も前に見ることが可能になりました。
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AudiではSpotを一例とした、自動車のスマートプロダクション化を進めている。
一様にライン組み立てるのではなく、各モデルやオプションに対応するため、モジュラー式組み立てシステムを導入。各モデルのデザインや装備のバリエーション作成には、パワーウォールと呼ばれる大画面で車両をオリジナルサイズで再現して意思決定プロセスに役立てるなど、バーチャルテクノロジーを用いているという。
また、バーチャルアセンブリ計画において、生産工程で使用するマシンとインフラを仮想的に配置するために使用できる3次元点群を生成することで、計画プロセスでプロトタイプを作成する必要がなくなるという。
コンポーネントの欠陥を特定するためにAIを活用。
複雑多様化する製品モデルや顧客ニーズに対応するために、これらの技術を駆使して、工場のオートメーション変革を進めていくとしている。