従来の点検作業は、ダム堤体内部にある管理用通路である監査廊を、実際に人が歩いて異常がないか目視で確認する。長距離の移動や急勾配を昇り降りする必要があるため、肉体への負担や転落等の危険を課題としていた。同システムを活用する事で、省人化・省力化に繋がり、安全性も確保できるとしている。
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自動飛行ドローンを活用した監査廊点検システムの特長
衛星測位や自己位置推定がなくても自動飛行が可能
機体と床面、壁面の距離を常にレーザセンサで計測することで、安定した飛行を実現。マーカーを用いた制御により、衛星測位ができない屋内環境や監査廊のような同一形状で特徴点が少ない環境においても自動飛行が可能。
遠隔地から点検箇所の状況確認が可能
飛行ルート内の無線LANを介して、ドローンに搭載したカメラからの映像をリアルタイムでパソコンに表示。遠隔地であっても点検箇所を確認できる。専用のWebアプリケーションにより、過去の映像履歴やマーカー認識時の時刻、機体周辺の温湿度、バッテリー残量等の情報やドローン本体の飛行位置を記録できる。
今後の開発では、AIを用いた壁面におけるクラックの自動検出や揚圧力を測定する圧力メーターの撮影、自動読み取りと装置の自動制御など、技術の向上に取り組むとしている。監査廊以外にも、衛星測位ができない環境での点検作業への適用も検討していくという。