インターステラテクノロジズ株式会社は、北海道スペースポート内専用射場「Launch Complex-0」にて、ZERO用60kN級エンジンの重要部品の一つ「ガスジェネレータ(ガス発生器)」の燃焼試験に成功した。実際の打上げに採用する液化メタンを燃料に使い、ガスジェネレータが十分な性能を満たしていることを確認できたという。
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超小型人工衛星用ロケットZERO
長さ25m、直径1.7m、総重量33tの小型ロケット。およそ高度500kmまで上昇し、ペイロードとして積んだ人工衛星を地球周回軌道に投入する事ができる。大型ロケットのように相乗り型ではなく単独で打上げるため、時期を自由に設定する事ができ、目的とする軌道に直接運ぶ等、汎用性に優れている。
ガスジェネレータ(ガス発生器)
長さ約23cm、直径約12cm、重さ約2kgで、素材はステンレスおよび耐熱合金のインコネル製。高温高圧のガスを発生させることで、ロケットの心臓部に当たる「ターボポンプ」のタービン部分の動力源となる。燃焼室に推進剤を送り込む「インジェクタ(燃料/酸化剤噴射器)」には、金属3Dプリントを使用。
ターボポンプ
ガスジェネレータで発生させたガスの力で、ターボポンプのタービンを1分間に数万回転と高速回転させる「ガスジェネレータサイクル」を新たに導入。今後は、エンジンの他の部品と組み合わせた複数の試験を経て、「エンジン統合試験」へと進む予定。
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同社は、エア・ウォーター株式会社と協力し、牧場から買い取ったメタンガスで製造した液化バイオメタンをロケットに使用することを計画しているという。地球温暖化対策に貢献するとともに、酪農が盛んな北海道に本社を置く企業として、エネルギーの地産地消に寄与していく考えだ。