三菱重工業株式会社は、米・Boeing社と、持続可能な航空産業の実現に向けた協業を行う覚書(MOU)を7月19日に締結。SAF(持続可能な航空燃料)、水素、電動化及び環境に配慮した素材などの分野で持続可能な航空産業の実現に向けた協力体制を構築するという。
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今回MOUが締結された背景には、2050年のカーボンニュートラル実現という世界的なコミットメント達成が挙げられる。
三菱重工は、SAFの商用化および普及・拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」に加盟するなど、環境に配慮した航空産業の実現に向けた技術開発に取り組んできた。また、昨年2021年には「MISSION NET ZERO」を宣言し、2040年までにバリューチェーン全体を含むグループ全体のCO2排出量を2040年までにNet Zeroにする目標を設定した。
Boeing社は、航空宇宙のグローバルリーディングカンパニー。150カ国以上で商用航空機、防衛製品、宇宙システムの開発、製造、サービスを提供している。昨年2021年、再生可能エネルギーへの移行促進のため、SkyNRG、Alaska Airlines、Etihad Airways、NASA、Rolls-Royce、United Airlinesなど複数のパートナーと提携を結んだ。また、First Movers Coalitionにも参加。排出量を削減する新技術の開発を進めるため、あらゆる分野の企業と提携。同社の合弁会社Wisk社では、米国初の電動式の自動飛行タクシーの市場投入を目指している。
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三菱重工の加口仁常務執行役員兼CSO兼エナジードメイン長は、次のようにコメントしている。
カーボンニュートラル社会の実現は地球規模の課題であり、当社は、脱炭素分野での実績を誇るリーダーとして、気候変動対策をリードしていくことが我々のミッションであると考えています。
CO2削減に貢献できる製品・技術・サービスを通して、世界中のパートナーと協調し、社会のNet Zero実現に貢献していきます。
私たちは、世界的な航空宇宙分野のリーディングカンパニーであるBoeing社と提携できることを大変誇りに思い、このパートナーシップが持続可能な航空産業の発展に大きく貢献するものと確信しています。
Boeing社のチーフ・サステナビリティ・オフィサーを務めるChris Raymond氏は、次のようにコメントしている。
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航空宇宙産業がもたらす恩恵を何世代にも渡って享受するためには、業界の大胆な気候変動目標の実現に向けて、両者の革新的な技術力や知見を結集しなければなりません。
三菱重工は、温室効果ガスの排出削減に積極的に取り組み、革新的で持続可能な技術の開発に取り組んでいます。私たちは彼らと提携することを光栄に思い、持続可能な飛行の未来を開発するという野心で団結しています。