株式会社ACSLは、ACSL国産ドローンACSL-PF2について、マレーシアで1,000時間の連続飛行試験を実施。
本飛行試験と試験結果の評価を完了し、有人地帯上空での目視外飛行(Level 4)を見据えたドローン開発に向けて有益な結果を得られたと発表した。
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Level 4環境下での飛行を実現するためには、十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示すための基礎データが重要だが、機体は個別に作られた部品を組み合わせて構成されており、性能評価や耐久性評価が十分に実施されていないことが課題だった。
このような課題を解決するために、エアロダインジャパンと連携し実証実験が行われたという。
実証の概要
- 試験期間および評価期間:2020年12月~2021年9月
- 使用機体:ACSL-PF2
- 累計飛行時間:約1,000時間
- 飛行試験の目的:
- モーター、ESC、プロペラ等の各部品の平均故障間隔(MTBF)の検証と改善点の明確化
- 各部品の交換やメンテナンスに関わる評価
- ホバリング精度、飛行時間、最高速度などの性能指標を様々な条件で検証することによる性能範囲の確立
- 経験豊富なドローンオペレーターからのフィードバックの収集
※マレーシアにおける活動制限令(MCO)ではない期間での撮影となります。
結果
- 5機のACSL-PF2で累計1,000時間の飛行試験を実施し、
モーター、ESC(Electronic Stability Control:横滑り防止装置)、プロペラの交換は一切必要なく試験を完了できた一方で、集中的に改良すべき点も見つかり、Level 4を見据えた開発の重要な基礎データを収集することができた。 - 理論値ではない性能評価ができたことで、今後の運用コストの低減に繋がるような、部品交換等のメンテナンスに関わる重要なデータを収集することができた。
- リモートでのトレーニングや運用により試験を進行することができたことを受け、ACSLの教育・運用システムはリモートでも実施可能であり、シミュレータ等によりスキルアップすることができるという実例を作ることができた。
今後は、過不足なく最適化された部品の交換頻度や運用限界などを定めると同時に、
今回の試験結果を通して確認した改良点を中心に、Level 4を見据えた機体の量産化に向け開発を進めるとしている。