物流倉庫・製造工場向け自動搬送ロボットを開発する株式会社LexxPlussは、インキュベイトファンド株式会社、SOSV Investments LLC、住友商事株式会社から第三者割当増資を実施し、資金調達を完了したことを発表した。同資金調達で、2021年秋頃に一般販売を予定している自動搬送ロボットの開発と人材の採用に取り組むという。
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昨今のEC需要の高まりや新型コロナウイルスの流行に伴い、物流倉庫は逼迫し、人材不足の解消や倉庫の流動性を高める自動化のニーズが高まっている。一方で、既存の物流ロボットは「費用対効果に見合わない」「ヒトと共存する空間で活動できるロボットがない」などといった理由から、国内の多くの物流倉庫では自動化の検討すらされていない状況にあるという。
LexxPlussの自動搬送ロボットは、物流における搬送作業の自動化割合を推進するべく、ソフトウェア・ハードウェア・ビジネスモデルの各点において新しいアプローチを導入している。
また、LexxPlussはSOSVと住友商事、SCSK株式会社が共同運営するハードウェア特化型アクセラレータプログラム「HAX Tokyo」に採択されており、彼らが抱えるグローバルネットワークを活用することで、量産に向けた体制構築や海外マーケットへの展開も視野に入れていくとしている。
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■LexxPlussの自動搬送ロボットの特徴
1.様々な現場環境に柔軟に対応
従来の自動搬送ロボットは、床に敷いた誘導線上に沿って軌道走行するAGVと、自動運転技術を用いて自律的に走行するAMRに大別される。前者は比較的安価ではあるが、誘導線を物流センターに張り巡らすためメンテナンス性に劣るのに対し、後者は作業工程との高度な連携や搬送・牽引重量に応じて技術的ハードルがあがり、高額になる。
LexxPlussの自動搬送ロボットは、AGVで用いられている軌道走行機能とAMRで用いられている自律走行機能を1台で兼ね備えた「ハイブリッド制御技術」を実装している。狭い通路や作業員との連携の際には軌道走行機能、ヒトやモノを迂回しながら走行したいときは自律走行機能といったように、各物流倉庫で異なる現場環境に幅広く対応できる。
2.作業員との連携を素早く正確に
LexxPlussの自動搬送ロボットで用いられている軌道走行機能は、±1cm以下の精度で制御が可能で、作業員が欲しい場所へ的確に搬送し、無駄のない作業連携を実現できる。また、自動搬送ロボットの導入に必要な目的地の設定や走行経路は、シナリオを作成するのみで、通常1週間程度かかる導入を半日、走行経路の編集は5分で変更可能。
3.パワフルで多様な搬送手段
60cm×60cmの業界最小クラスを実現しつつ、300kgまでの積載と500kgまでの牽引が可能。また、台車・パレット・かご台車での搬送など30種類以上の搬送ケースに対応している。
4.RaaS(Robot as a Service)モデルを用いた継続的なサポート体制
導入後の運用・管理については台数ベースのサブスクリプションモデルでサービスを提供し、従来の買い切り型では見えにくかった費用対効果を可視化する。また、自動搬送ロボットの販売価格を製造原価に抑えることで、多くの事業者様が自動化に取り組めるよう目指すという。