Google共同創業者ラリーペイジも出資するベンチャーKitty Hawkは、eVTOLプラットフォームであるHeavisideに注力するために、個人向けレクリエーション機「Flyer」の開発中止すると発表した。Kitty Hawkセバスチャン・スラン CEOとFlyer社長のアレックス・ロエッター氏は、6月3日“Our Next Chapter ”と題した声明でその決断を説明した。
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今日、我々はFlyerプロジェクトを終了することになりました。車両の設計やテスト、航空機の製造、そして何よりも人間がeVTOLをどのように体験するかなど、私たちはこのプログラムから必要なことを学びました。
パイロットではない人が操縦する世界初の電動eVTOL機を製造できたことを誇りに思います。当社の初期の「Cora」と同様に、「Flyer」は明らかにKitty HawkとeVTOL車両の歴史におけるマイルストーンとなっています。
5年近く前にプロジェクトが開始されて以来、25,000回以上の乗務員と非乗務員による合計111機のフライトを成功させている。75人以上の人々がeVTOL航空機を飛行したが、そのほとんどは初心者パイロットだった。民間人では、初体験したのはYoutuberのケイシー・ナイスタットとなる。
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現在、同社は翼を持つeVTOL「Heaviside」に注力する計画で、航続距離160km、時速290km、都市上空を飛行できることを目標としている。都市部のエアモビリティ空間における他のプレイヤーと同様に、長期的な目標を「世界を交通から解放すること」としている。
開発は順調に見えたが「Flyer」の技術的な問題と安全性の問題、そして実用化に関する未解決な問題が山積みとされている。また1人乗りの「Flyer」を、本来の目的である個人購入機体ではなく、ライドシェア型の輸送サービスの基盤とする事業ドメインに変更する予定だった。様々な問題があり、Heavisideに舵を取った理由の一つとされる。
さらにKitty Hawkは昨年2019年にボーイング社との合弁会社「Wisk」を設立し、自律走行型eVTOL「Cora」を開発中だ。しかし、そのプログラムにもいくつかの課題があり、プロトタイプが公開されてからわずか2週間後にソフトウェアのタイミングミスによるクラッシュで大幅に破損している。