噂の「ドローンジェニックな旅」に潜入してみた
2020年3月7日、京都府和束町で「ドローンジェニックな旅をしよう in 茶源郷 和束町」が開催された。目的は、和束町の観光PR。SNSフォロワー数が4桁を超えるインフルエンサーをはじめ、12名が参加した。円形茶畑など和束町内の絶景をドローンで空撮し、地域の魅力を発信した。
- Advertisement -
抹茶の生産量日本一、和束町でドローン体験イベント
和束町は、京都府南部にあるお茶の名産地だ。標高500〜600mの山々に囲まれた盆地は、お茶づくりに適した気候を育み、茶畑は町全体に広がっている。1月から4月にかけては雲海も出現するそうで、「日本で最も美しい村」連合にも加盟している。
「ドローンジェニックな旅をしよう in 茶源郷 和束町」は、4月下旬に新茶の時期を迎える前の観光PRを目的として開かれた。インスタグラマーなどSNS拡散力があるドローン初心者に参加してもらい、和束町の新たな魅力を発信してもらう。
- Advertisement -
「ドローンジェニックな旅」に惹かれて関東から駆けつけた参加者からは、ドローンが飛び立つと歓声が上がった
機体をセッティングしたら飛ばす前に、絶景茶畑と初めてのドローンでまずは自撮りする姿も
絶景のなかにいるリアルな写真を撮るために、参加者同士が協力してお互いのモデルに
- Advertisement -
ドローン空撮イベントは「滞在性が高い」ことも、PRイベントとしての魅力。初対面の参加者はすっかりうちとけた
午前と午後、それぞれのフライトの合間には、地元のシェフが腕を振るったタイカレーや抹茶を使ったデザートでランチ。淹れたての和束茶も振る舞われ、上香園によるお茶講座も開かれた。
「ドローンジェニックな旅」×インスタグラマー
今回は、メディアでも有名な「円形茶畑」をドローン空撮できるということで、Instagramフォロワー数が数千人というインスタグラマーが何名も参加していた。カメラ慣れした参加者が多く、機体の設定、操縦、安全面での注意点をレクチャーしたあとは、「自分が撮りたい絵」をすぐに閃いている姿が印象的だった。
「この中でくるくる回ったら、絶対にかわいい!!」というアイディアも、円形茶畑をドローン空撮で真上から見た瞬間に生まれた
しかし、観光PRを目的としたドローン体験イベントでは、魅力的な動画や写真の撮影やイベント実施中~後の拡散と同時に、当日の安全性が何よりも重要。同イベントの企画と運営は、「地方創生×ドローン」をテーマに地方自治体やTV番組の空撮やドローンパイロット教育、研修等を展開するDron é motion(ドローンエモーション)が担当した。
当日は、ドローン初心者向けの基本レクチャーから、撮影指導、イベント全体の安全運航管理を行ったほか、参加者同士の交流をさりげなく促してイベントを盛り上げた手腕はさすがだった。ドローン機体のレンタル希望者には、DJI製のMavic Airを1名1台、無料で貸し出した。
2年前から和束町でのドローンイベントを企画してきたという田口氏
通常は、観光PRの素材を撮影する際、モデルのスタイリングは不可欠だ。そこは「ドローンジェニックな旅」を田口氏とともに手がけてきた、絶景トラベラーはぴさや(高橋早矢歌)氏が機転を効かせた。事前に「白かイエローのワンピース、トーンコーデで」との連絡があり、撮影は統一感のある仕上がりに。
「今回のイベントを機に、ドローンを持って和束町に訪れる人が増えたら嬉しい」と話す絶景トラベラーはぴさや氏(右)
はぴさや氏のほかにも田口氏の教え子である河田愛氏など、強力なスタッフがサポートに駆けつけた。初心者が半分を占める、12名の参加者をしっかりとフォローしていた。
河田氏も、ドローン空撮を活用して地域おこし協力隊として活躍するインフルエンサーだ。NPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟する兵庫県香美町小代を拠点に活動してきたが、実は和束町も同じく「日本で最も美しい村」連合だという共通項がある。地域に密着したドローングラファが、インフルエンサーとコラボレーションし地域おこしを盛り上げていく、そんな動きがこれからグッと加速してきそうだと感じる、印象的なイベントだった。
ドローンを持って、和束町へ出かけよう
動画:絶景円形茶畑「ドローンジェニックな旅をしよう in 茶源郷 和束町」(京都府)Dron é motion(ドローンエモーション)制作
今回の目玉となった「円形茶畑」撮影許可には、和束町役場に勤めるドローングラファである木崎茂氏が尽力した。もともと地元出身でお茶農家に同級生や友人を持ち、定年後のいまは役場で働く木崎氏の説得があったからこそ、茶畑上空でドローンと飛ばす意味への理解と協力を得ることができ、木崎氏がハブとなって地域一体での企画を実現できた。
木崎氏:ドローンという、いま注目のツールを使うことで若い人にも和束町に興味を持ってもらい、最終的には「和束茶」への距離を縮めていきたい。お茶を淹れて飲む人が増えることは、和束町のお茶農家にとってもプラスになる。
木崎氏は、茶源郷グループを発足し、和束町内でのドローン撮影に関する問合せ窓口と、和束町を訪れたドローングラファのアテンドを行う予定だそう。4月下旬〜5月、八十八夜の茶摘みの頃を目指して、青々と輝く新芽の空撮に出かけてみてはいかがだろうか。
同イベントの動画や画像は、Instagram、Twitter、Facebookで「#ドロジェニ和束町」「#DJIJAPAN」「#和束町」「#茶源郷」のハッシュタグを付けて拡散されているので、ぜひ見てみてもらいたい。