株式会社ジェピコと株式会社日立システムズは、東日本国際大学を中心とした「大ピラミッド探査プロジェクト」に参画し、高性能な1億画素カメラや3次元化技術を活用することで、大ピラミッド内部の高精度3次元モデルの作成に成功したという。
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調査の対象になった大ピラミッドと大ピラミッド内部の高精度3次元モデル
同プロジェクトは、2017年に他のプロジェクトチームがエジプト・アラブ共和国にある大ピラミッド内部において未知の巨大空間を発見し、エジプト政府が東日本国際大学に再検証を依頼したことで、2018年4月に始動した。同プロジェクト開始後、検証するためのパートナーとして、高性能な1億画素カメラを保有するジェピコと、2次元画像の3次元化の技術力と実績を持つ日立システムズの参画が決定したという。
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ジェピコはPhase One社の1億画素の超高解像度カメラを使用して大ピラミッド内部の撮影を行った。超高解像度カメラは中判サイズのCMOSセンサーを使用しており高光感度特性に加え、広いダイナミックレンジと正確な色再現性を実現しているため、外部からの光が無く通常では暗い画像しか撮影ができない大ピラミッド内部でも、明るく正確な色再現性を持った画像を撮影することができる。
ジェピコが撮影した2次元画像を、日立システムズがPix4D社のPix4Dmapperを利用して3次元化することで、暗く色味の少ない大ピラミッド内部の高精度3次元モデルの作成に成功。日立システムズが作成する高精度3次元モデルは、撮影対象の色味・形状などを忠実に再現できるため、現場に行かずとも遠隔から撮影対象の調査や検証などを実施することが可能。図面が存在しないピラミッドなどの遺跡や文化財などにおいても、高精度3次元モデルを図面代わりに活用することで、それらの修繕や保全も可能だという。
調査対象の1つである大ピラミッド内部の「王の間」は特に暗室で狭いため、2次元画像から大ピラミッド内部の3次元化を忠実に再現することは難しいとされていたが、ジェピコと日立システムズの技術の活用により、本来の色味で立体的に検証することができた。
今後の検証にもジェピコと日立システムズの技術が活用される予定であり、この検証以外にも色味から分かる材質の違いなど新たな発見に期待が持たれているという。日立システムズとジェピコは、東日本国際大学などと連携し、現在も継続している「大ピラミッド探査プロジェクト」の成功に向けてさまざまな調査に協力するとしている。
東日本国際大学学長の吉村作治氏は次のようにコメントしている。
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CGによる再現などではなく、すべて本物の画像を使い、本物の色で描いているというのは衝撃的で感動しました。これまでにこのような明暗のない、色差のない王の間の画像および動画を見たことはなく、これは今後のピラミッド調査に大いに役立ちます。