IROS 2017で、Mirko Kovac氏率いるImperial College LondonのAerial Robotics Laboratoryは「SpiderMAV」を発表した。SpiderMAVはスパイダーマンのように糸を出し、糸によって作り出された「巣」に止まり「休む」機能を搭載している。
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SpiderMAVは、ダーウィンズ・バーク・スパイダーとして知られるナガコガネグモをモデルとして製作された。25メートルにも及ぶ巣を作り出し、糸は通常のクモより倍以上頑丈で、世界で最も耐久性のある生物物質と言われている(BBC’s Sir David Attenborough soothingly tell you all about the Darwin’s bark spider in this video参照)。
本質的に、SpiderMAVはDIJ社のMatrice 100である。その機体の上部に巣を作り出すためのパーチングモジュールと、下部にバランスをとるための安定化モジュールを取り付けたものがSpiderMAVである。パーチングモジュールは、磁性糸の発射台とそれを戻すリール機能が搭載されており、糸はポリスチレンを使用している。磁性の物体(金属製の天井や柱などが理想)を発見すると、それらの物体の下方へと移動し、圧縮ガスを利用して錘が発射され、それに連なり糸が出てくるという仕組みである。
錘がついているため、糸を戻す際も張り詰めた状態を保つことが可能である。またモーターを減速させたり、その動力電源完全に切ったとしても上から吊るされた状態を保てるという。安定化モジュールの仕組みも同じであるが、錘と糸は上方に発射されるのではなく横に発射され、発射された糸を張り詰め、空中で機体を固定する。
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これらのモジュールの仕組みは動画でも紹介されている。この検査でわかったことは、安定化システムは大幅に進歩したということだ。送風機から出てきる横風に特に強い。研究では次のように報告されている。
Matrice 100の機体保持能力に関しては、縦、横、斜めのそれぞれ三方向において最大136、386、106ミリメートル「ズレ」があったが、SpiderMAVはそれぞれ47、80、75ミリメートルであった。
パーチング機能を使用することで、実質的に電力を全く使わないため、飛行時間も大幅に伸びる。
これらのシステムの検証はまだ予備段階であり、錘の外し方などについては今後調査することになる。磁気の強さは調整できるため、フルスロットルバースト時に切り離されるように取り付けられるであろう。または、錘ではなく電磁気やオンとオフの替え可能な磁気を使用することも考えられる。
錘はモジュラーとして扱われるかもしれない。室内飛行であれば磁性の錘が適しているが、室外飛行であればマイクロスパイン型の錘がより適しているであろう。森の中を飛行するのであれば、爪状の錘がよいだろう。草の上ではヤモリのような粘着力が必要にもなるだろう。研究者によれば、SpiderMAVの登場により、ロボット工学に新たなトレンドが生まれ、糸状のものを使用した機能を備えた機体の研究がより行われるようになるということだ。
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出典:IEEE Spectrum