2017年第1四半期(1~3月)の取引金額は高額となった。ドローン企業への投資は記録を塗り替え続けている。2017年には新記録を更新する見通しだ。
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2016年は100件の取引があり、金額にして約4億5400万ドルであった。2017年第1四半期(1~3月)、ドローンのベンチャー企業では四半期で1億1300万ドルにおよ32件の投資があった。近年のランレート(直近の実績値の傾向がそのまま続くと仮定した場合の将来予測値)において、2017年は新たな122件の取引により、金額にして約5億600万ドルの高値となる見通しである。
ドローンとは、非整備環境のためにデザインされた無人の飛行機や船、車両などに関する開発を行っている、ソフトウェアやハードウェアの企業を含むと広く考えられている。こうした技術は、数ある応用技術のなかでも、ドローン製造からドローンによるデータ収集分析まで広くにわたる。
CB Insightsのデータをもとに、ドローンのベンチャー企業における融資傾向を調べた。この研究で扱う概要は以下の通り。
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- 年間の融資傾向
- 四半期ごとの融資傾向
- 投資ラウンド段階ごとの年間融資傾向
年間の融資傾向
これまで、2017年の累計(2017年6月7日現在)で2億1600万ドルにおよ約52件の取引が行われた。近年のランレートにおいては122件の取引、金額にして約5億600万ドルという記録を打ち立てる見通しだ。ドローンベンチャー企業との取引と融資のどちらにおいても2016年は、わずかに5%減少したものの、全体としては2012年から好調である。
現在のところ、3D Robotics社への投資が2017年の投資第一位となっている。3D Roboticsは複雑なデータ収集システムや、完全自動操作の飛行機とオープンソースのドローン開発向けプラットフォームを提供している企業である。3D Roboticsは2017年第2四半期(4~6月)にはシリーズD調達ラウンドでの投資額が53万ドルとなり、特にFoundry Group社やMayfield Fund社、True Ventures社、Autodesk Forge Fund社などからの投資を含む数値であった。3D Roboticsへの投資総額は、1億7870万ドルにおよと明らかになった。
四半期ごとの融資傾向
四半期ごとのデータを見てみると、2017年第1四半期(1~3月)には32件の取引があり、これは2016年第3四半期(7~8月)の29件という記録を越えた数値となった。2017年第1四半期(1~3月)の取引第一位は、無人飛行システムオペレーターが周辺の空間状況を視覚化できる、包括的なデジタルマップであるAirMapだった。特にGeneral Catalyst社やQualcomm Ventures社、Lux Capital社からの投資を含む、シリーズBでの2600万ドルという数値をあげた。
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2015年第3四半期(7~8月)は、1億45万ドルという高い投資額に留まっていた。この四半期の総額は、電気航空機の開発を進めるYUNEEC社への投資6000万ドル、個人用ドローン製造会社EHANG社へのシリーズB投資4200万ドルを含む相当な額の取引が行われた。2015年第3四半期(7~8月)から2016年第3四半期(7~8月)は融資の最低金額が続いていたものの、この半年で融資は再び増加した。
投資ラウンド段階ごとの年間融資傾向
初期段階(シード、シリーズA)は2013年以来、年間総取引シェアの過半数を占めている。2017年累計における取引シェア率は62%で、2014年の73%という高値からは減少した。2017年累計の初期段階投資における第一位は、Starship Technologies社に対する1720万ドルのシードラウンド投資であった。投資したのはMatrix Partners社やDaimler社だった。Starship Technologiesは、自動運転の配達ロボットを製造している企業だ。
中期段階(シリーズBとシリーズC)の取引シェアは、2016年の12%から、シリーズC投資のなかった2017年累計の10%となり、わずかに減少した。その他の取引(少数企業や、社債の一種であるコンバーチブルノートの取引を含む)は、2016年から2017年の間で23%から27%に増加した。