低電力コンピュータビジョンや、装着型人工知能(AI)のメーカーであるIntel Movidiusは、DJI初のミニドローンとなる「SPARK」に、視覚知能(VI)の技術「Myriad 2 VPU(vision processing unit)」を提供した。Myriad 2 VPUは、オブジェクション検出や3Dマッピング、ディープラーニングの演算法を活用したコンテキストアウェアネスなど、加速するコンピュータビジョンに活用可能なユニークなプロセッサだ。
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2017年5月24日にニューヨークで発表されたSPARKは、DJI史上最も小型のドローン。内蔵コンピュータビジョンプロセッサや高速のディープラーニング演算法にMyriad 2 VPUを使用することで「sense-and-avoid」や光学追跡(OTR)、ジェスチャー認識などの機能が可能となる。DJIは、最新の機能を提供するため、最先端のコンピュータビジョンやMyriad 2によるディープラーニング演算法を導入してきた。SPARKの最新機能は以下の通り。
- 顔認識:手の平に載せると、SPARKは利用者の顔を認識し、いつ飛び立つべきかを判断し、スムーズにドローンの離陸プロセスを進める
- ジェスチャーモード:手を振ってSPARKの注意を引き、腕でジェスチャーをして、指でフレームを作って撮影準備が万端だと知らせる
- 安全な着陸:ドローンの下方装備された視覚センターが、下に障害物がないか検査・確認を行い、安全な着陸の手助けとなる
このようなDJIの障害物回避機能により、SPARKはドローン市場において最も知的なドローンの一つになっている。New Technology Group(NTG)の副社長であり、Intel株式会社MovidiusグループのゼネラルマネージャーのRemi El-Ouazzane氏は次のようにコメントしている。
El-Ouazzane氏:SPARKに見られる小型化のレベルの高さを知ったDJIが、ドローンのサイズと重量を減らせる革新技術のソリューションとして、Intel Movidiusのチップに着目したのだ。
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弊社の最新のMyriad 2 VPUは、従来の幾何学ビジョンの演算法とディープラーニング演算法を組み合わせたものだ。つまり、SPARKは空間認識のみならず、文脈認識(コンテキストアウェアネス)も可能ということだ。
Intelのグループ会社であるMovidiusは、2015年からDJIと共同でドローンに最先端のビジョンプロセッサを提供してきた。超低電力構造のおかげで、Myriad 2は空間とエネルギーを最小限に留めることができている。
そのため、SPARKは、ほかのDJIドローンが持っている知的機能を最大限扱えるが、それはカジュアルで新しいユーザーをターゲットにした超小型ドローン形態にだけ言えることでもある。DJIのシニアプロジェクトマネージャーPaul Pan氏は、次のようにコメントしている。
Pan氏:DJIドローンの所有者がすでに享受し親しんでいるインテリジェントフライトとセーフティ機能に加え、驚くべき最新のコンピュータビジョンとディープラーニング機能をも、すでにほとんどの小型ドローンSPARKに搭載しています。
Myriad 2 VPUは、自動飛行やコンテキストアウェアネスを同時に操作し、コンピュータに電力を送ります。そして超小型の、高性能の知的飛行マシン、ドローンの生産が可能になります。