9月は予想どおり新機種ドローンのリリースラッシュとなった。DJIは、パーソナルドローンコンパクトなボディに3軸ジンバルを備えた4Kカメラとビジョン・ナビゲーションシステムを装備したパーソナルドローン「MAVIC Pro(以下:MAVIC)」を9月27日発表した。その発表の様子はニューヨークで開催されたレポートを見ていただきたい。その後9月29日には、日本においても「MAVIC Pro」のお披露目が秋葉原で行われた。
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女性が持ってもその機体はコンパクト
ニューヨークで発表された内容に加え、日本でMAVICをパーソナルにいかに活用するか?パネルディスカッションも行なわれた。
「グランピング*」にMAVICを持って行き、楽しむべきなどの提案も行なわれた。たしかに女性のカバンにMAVICが無造作に入っていれば手軽に感じてしまう。それだけ身近な存在であっても欲しいと感じさせられる。
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*グラマラスとキャンプを掛け合わせた造語で贅沢なキャンプを行なうと言う意味。
小型でパーソナルドローンではあるがその機能や性能は優れている。MAVICは機体に収納が可能な4つの折りたたみ式のアームとプロペラを搭載しているため飛行前、機体にプロペラを取り付ける作業が不要だ。同社Webサイトからて既に予約可能となっており、発送は10月15日から順次配送を予定している。同じく10月中旬からは深セン、ソウル、香港のDJI旗艦店でも販売予定だ。
また、Apple.comでの先行予約も開始され、Apple Storeでの販売開始は11月初旬を予定している。価格はコントローラー付きで999ドル(税込119,800円)で、MAVICフライモアコンボ(MAVIC本体、追加のインテリジェント・フライト・バッテリー2台、予備のプロペラ、充電ハブ、アダプター、シガーソケットチャージャー、ショルダーバッグ)の価格は税込155,800円。
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空前の飛行体験
FlightAutonomy(飛行自律性)は、カメラ5台、GPSナビゲーションシステム、GLONASSナビゲーションシステム、超音波距離計2台、冗長センサー、24個のプロセッサーで構成されている。FlightAutonomy(フライトオートノミー)はMAVICの位置決定、飛行指示、飛行ルート計画を行い、衛星からの信号の有無に関わらず障害物を回避する。MAVICは、最大27分間の飛行が実現するという。スポーツモードへ切り替えた場合の最大速度時速64.8kmとなる。DJIのジオフェンシングシステムを使用して飛行禁止エリアや安全上飛行に問題があるエリアを自動で特定を行える。
MAVICの離陸時は、高精度着陸(Precision Landing)機能で2台のステレオカメラが動画を撮影、録画が可能。それらの録画情報と衛星からの情報を使用して、離陸場所に着陸する。ユーザーは機体のコントロールを失った場合でも、自らホバリングしてその場にとどまり続ける。
最新のカメラスタビライザーシステム
写真や動画撮影時の手ブレを補正する小型の3軸ジンバルが搭載されている。オートフォーカスカメラ機能により0.5mの焦点距離が実現し、縦方向90°に回転してセルフィーや動画もポートレートモードで撮影が行える。MAVICは4K動画を30fps、フル1080p HDを96fpsで撮影する。Adobe DNG RAWに対応した1,200万画素のカメラが搭載され、さらにジンバルは2秒間の長時間露光での空撮が可能。
リモートパフォーマンスとライブビューパフォーマンスの刷新
小型送信機はスマートフォンに取り付けが可能。Mavicの自動操作も行える。内蔵のLCDスクリーンは、飛行時の安全性を確保するリターントゥホーム機能やインテリジェント・フライト・モードが中断されている場合に専用のボタンを表示し、必要不可欠な遠隔測定データが表示される。また、ビデオリンク・システムOcuSync(オキュシンク)は、最大7km(日本では4km)までの伝送距離に対応、最大1080pのライブビュー解像度を実現している。さらにOcuSynは、多数の周波数が使用されている環境下でも稼働する。MAVICには、近距離からのスマートフォンでの操作や、ユーザーが使用しているデバイスへのコンテンツダウンロードが容易なデュアルバンドWi-Fiが二次リンクとして装備されている。
スマートフォンのタッチスクリーンから障害物を回避させながら飛ばすことのできるTapFly(タップフライ)の操作が可能。ハンズフリーでセルフィーを撮影したい場合には、FlightAutonomyを使用しジェスチャーでドローンをコントロール可能だ。
MAVICのGesture mode(ジェスチャーモード)は、フレームの中央に対象をとらえて撮影する。DJI GOアプリを使用してFacebook LiveやYouTubeへのライブストリーミング行える。また、同社のActiveTrack(アクティブトラック)もアップデートが行われている。ユーザーが飛行の操作している間も常に被写体にフォーカスし、Terrain Follow(地形フォロー)モードでは、地上3m~10mの間で被写体を後方から追尾する。
Tripod(トライポッド)モードは、室内でMAVICを飛ばしたくない時に活用できる新機能。Mavicのスピードを落とし、送信機の動きを基に位置と角度を精密に調整して構図設定と安全な飛行を実現するとしている。Mavicを没入型のDJIゴーグル(別売)と組み合わせることで、85°の広視野角でドローンからフルHD 1080pの眺めが実現。内蔵型OcuSyncによって送信機を経由せず直接ゴーグルが受信することで、伝送のタイムラグは減少する。
DJIの創業者兼CEO、フランク・ワン氏は次のようにコメントしている。
ワン氏:DJIはこの10年間、誰でも簡単にドローンを飛ばせる技術を開発してきました。そして、ドローンの外観を見直すことで、誰もが自分のクリエイティビティーを発揮できる、まったく新しいタイプの空撮プラットフォームを実現しました。MAVICは、DJIが市場のリーダーであることを改めて証明するさまざまな機能を搭載した技術の賜物です。最も重要なことは、MAVICを使えば誰でも簡単に空に飛び立ち、新しい視野で世界を眺めることができることです。そして、人々が今までにない体験を共有することができるという点です。
■基本スペック
機体 | |
重量 | 734g(カバーを含まない) 743g(カバーを含む) |
最大上昇速度 | スポーツモードで5m/秒 |
最大下降速度 | 3m/秒 |
最大速度 | 無風、スポーツモードで64.8km/時 |
運用限界高度(海抜) | 5000m |
最大フライト時間 | 27分 |
最大ホバリング時間 | 24分 |
最大フライト距離 | 13km、無風 |
動作環境温度 | 0~40℃ |
GPSモード | GPS/GLONASS |
送信機 | |
動作周波数 | 2.400GHz~2.483GHz |
最大伝送距離 | 4Km(障害物および干渉がないこと) |
動作環境温度 | 0℃~40℃ |
バッテリー | 2970mAh |
動作電圧 | 950mA@3.7V |
対応モバイルデバイスサイズ | 対応厚さ:6.5~8.5mm 最大長:160mm 対応 USBポートタイプ:Lightning、Micro USB、Type B、Type C |
カメラ | |
センサー | 1/2.3″(CMOS)、有効ピクセル数:12.35メガピクセル(総ピクセル数:12.71メガピクセル) |
レンズ | 78.8°FOV、28mm(35mm判換算)f/2.2 ディストーション<1.5%焦点0.5m~無限遠 |
ISOレンジ | 100~3200(ビデオ)、100~1600(写真) |
電子シャッタースピード | 8秒~1/8000秒 |
最大静止画サイズ | 4000×3000 |
静止画モード | シングルモード 連続撮影:3枚、5枚、7枚 オート露出ブラケット(AEB):3枚、5枚(0.7EVステップ) インターバル撮影 |
動画モード | C4K:4096×2160 24p 4K:3840×2160 24/25/30p 2.7K:2704×1520 24/25/30p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/96p HD:1280×720 24/25/30/48/50/60/120/180p |
最大ビデオビットレート | 60Mbps |
対応ファイル形式 | FAT32(32GB以下)、exFAT(32GB) |
静止画 | JPEG、DNG |
動画 | MP4、MOV(MPEG-4 AVC/H.264)h |
対応SDカードタイプ | Micro SD™ 最大容量:64GBクラス 10またはUHS-1規格が必要 |
動作環境温度 | 0~40℃ |
ジンバル | |
操作可能範囲 | ピッチ(垂直方向):-90°~+30° ロール(水平方向):0°または90° |
機構 | 3軸(ロール、ピッチ、ヨー) |