中国に本拠をおくPowerVision社が、新作のコンシューマードローン「PowerEgg」を発表、プレオーダーを開始した。加えて2016年9月7日から9日にかけてラスベガスで行われたInterDrone2016で、プロ映像撮影に特化した「PowerEye」の発表も行われた。PoweEyeは2016年後半以降にリリースされる予定で価格は未定。
- Advertisement -
PowerEyeにはPowerVisionのデュアルビュー機能が搭載されており、複数のユーザーが同時に配信映像をファースト・パーソン・ビュー(FPV:1人称視点)、そしてサブジェクト・マター・ビュー(SMV:主題目線)で視聴が可能となっている。FPVカメラはドローン機体の先端に搭載されており、この機能を使用することによってユーザーはPowerEyeの前方に何があるかを確認することができる。同時に、ジンバル搭載の4K UHDまたは自然光・温度ランプを切り替えることのできるカメラで景色を確認し操作を判断することも可能だ。
PowerEyeアプリを使用することで、デュアルビューイングは携帯電話での操作が行え、スプリットスクリーンかピクチャーインピクチャーで切り替えが行える。アプリの入った携帯デバイスを2人で操作することによって、一人がFPV、もう一人がSMVを操作・管理というような操作方法をとることもできる。デュアルビュー機能があることによって、広いスタジアム等で行われるスポーツイベントや映画撮影において混雑をしている、あるいは入り組んでいる都会の真ん中などの撮影、野生の動物の撮影などが行いやすくなる。
- Advertisement -
PowerEyeは映像撮影・制作者やクリエイティブ系職のために、暗い場所での撮影に適した2種類のカメラのオプションがある。1つ目は、デフォルトのハイ・パフォーマンス4K UHDカメラだ。そしてもう1つは、自然光と温度ランプ両方で撮影をできるカメラだ。後者は2種類のレンズに光センサーを搭載している。PowerVision社CEO、Wally Zheng氏は次のようにコメントしている。
Zheng氏:PowerEyeは映像のクオリティとコントロール、たとえば特殊効果やその限界、において、新しいスタンダードを築くでしょう。今までの、ただドローンが飛んで上空から撮影ができた、という状態から比べても目覚ましい進歩です。私たちは今回初めてプロの映像技術向けのドローンの提供を開始したわけですが、対象には映像制作だけでなくゲームメーカー等にとっても使いやすいツールになるのではないかと考えています。
PowerEggを発表した時、私たちはその時点でPowerVisionは他社と似たような製品をつくるだけではないことを世界にアピールしました。今回もそれを意識してPowerEyeを製作しました。私たちの戦略は、プロフェッショナルまたはそれに近いアマチュアの需要に合わせてイノベーションを起こすことです。その結果この映像制作用のドローンは市場を大き動かすことができるはずです。
PowerEyeの主な特長
- PowerVision Object Detection Technology(物体感知機能):飛行中の通り道、10m以内の障害物をセンサーで察知し、アラートを鳴らすことができる
- 4着陸・離陸:従来のドローンの様に、手で持った状態からの離陸、そして操縦を止める際に手でキャッチをする必要がなく、安全性に配慮した
- 持ち運びやすい、600mmクラスの機体:ローターと脚の部分が折り畳み可能で、携帯しやすい。折りたたんだときの大きさは340mmx285mmx296mm
- 最高質のカメラサポート:マイクロフォーサードシステム(MFTシステム)
で、ユーザーの好みのカメラレンズを選ぶことができる - 最高飛行時間29.5分ほど
- 本体の重さ:約3キロ
- カメラを搭載した重さ:約4キロ
- ペイロード:約3キロ
上記に加えて、下記のように軽量かつパワフルである。
PowerEyeの特長のなかでも特にデュアルビュー機能は、実際に映像制作に携わる人たちとのディスカッションを含む綿密な市場調査とフィールドリサーチを重ねたうえで開発された。そのうちの一人がカリフォルニアに拠点をおくビデオ/アニメーションのプロダクションであるFirefly Arts LLCのオーナーのEthan Hoerneman氏だ。同氏は次のようにコメントしている。
- Advertisement -
Hoerneman氏:ドローンでの映像撮影で必ず必要なのは何か物体、もしくは周辺全体の景色を、様々な視点で見ることができるという機能だ。しかしながら残念なことに、狭い場所での撮影や動くものを撮るときにはそれが大変難しい。PowerEyeのデュアルビュー機能は機体の安全性に考慮しており、それが解決されている。