前回の特集でも参入取材を行ったMicro Multi Copter(以下MMC)。干ばつ、洪水、大雪といった自然災害は、農作物の収穫や農家の収入に大きな被害を与える。価格を引き上げるといった対応もされるが、それは短期的な解決にしかならず、作物の減少を防ぐわけではない。しかし、こういった問題をできる限り防ぐべく、最新の技術を用いた農業ドローンをMMC社が開発した。
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このドローンは、MMCとAgribotix社の共同開発である。農業用無人操縦機を手掛けるAgribotix社のカメラと分析ソフトウェア、ドローンメーカーであるMMCの農業ドローンの技術を組み合わせ、作物の状態を分析し的確に農薬・水の散布を行えるドローン「Swift」が実現した。
Swiftには、霧状に液体を散布できるノズルとRGB/NIRカメラを搭載しており、マッピングを行いながら殺虫剤を撒くなど同時に複数の作業が可能だ。また、Agribotix社の開発したFarmLensソフトウェアを使用してドローンが収集した分析データを、畑の所有者に収穫予想、投資対効果の計算、作物の健康状態と病気が見つかった場合の対策方法などを細かく送信することが可能となる。Swiftは価格も低く操縦も簡単で、全体的にユーザー手に取りやすくなっている。
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MMCは比較的新しい企業だが、トレンドが変化するドローン業界の中で、常に一歩先の読みを示している。深圳市でも、コンシューマーはDJI、産業用はMMC社が市からもバックアップされている。MMC社は、Swiftを含め、水素燃料ドローンなどこれまでGaruda、Phoenix、Spiderといった製品を発表しているが、どれもマーケットの需要に対し、正確に応えているといえる。