昨年に引き続き、Drone Indusry Insight社(以下:DRONEII)が2016年版ドローン市場マップ(Drone Market Environment Map 2016)を作成、発表した。世界中の各ドローンメーカーの分野と関係がドローン初心者にもわかりやすい様につくられている。メディアでも日本では唯一DRONE.jpもラインナップしている。機体でいえば、日本はPRODRONEとACSL(自律制御システム研究所)がラインナップ。
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2016年版ドローン市場マップ完全版
ドローン市場マップ※クリックすると拡大されます
「ドローン」の多様性
この図を作成した意図として、ドローンの一部のカテゴリだけでなく、無人航空機の業界の幅広い多様性に注目し、業界を全体として見比べることができる。そのため、DRONEIIはこの図を作成にするにあたり、世界にある多くのドローン企業の中から、明確なコンセプトを持ち市場でのカテゴリを意識している企業のみを選出し、掲載した。
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マップには49か国から711企業が掲載されており、地域の内訳は一番大きいのが北米(54%)、次いでヨーロッパ(30%)、アジア(9%)、オセアニア(3%)、中東・アフリカ(3%)、そして南米(1%)となっている。
そして市場カテゴリで見てみると、以下に分類されている。
プラットフォーム(29%)、システム(16%)、サービス(20%)、大学・研究プログラム(10%)、ソフトウェア(7%)、ニュー・メディア・ブログ(6%)、連合・組織(5%)、カンファレンス、イベント(3%)、オペレーター(操縦)市場(2%)、ドローン保険(2%)、ユーザーコミュニティ、ネットワーク(1%)
掲載されている企業の多くは既に会社としてある程度のポジションを確立しつつある企業で、その他、スタートアップやコンセプト段階の企業も載っている。しかし、ほとんどが平均年数6.5年、平均従業員数8.3人の中小企業である。
この1年でドローン市場に起きた変化は?
去年のマップに比べて、今年の図では大きな違いがある。今回のものにはより多くのサブカテゴリが設けられており、多くのドローン企業がニッチな市場をも意識し始めたことを示している。この1年で、ドローン企業は昨年より明確に特定されたビジネスモデルにシフトし、より強いコンセプトを持ち始めた。
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例えば3DR社は以前まではレクリエーションの分野に重点をおいていたが、今では商業ドローン一本に絞っている。Insitu社は軍事利用のためのプラットフォームだけではなく、もっと一般に向けたものも手掛け始めた。DJI社も、自社ドローンをメディア、農業等のソリューションとして提供することを始めた。
ドローン市場に今後期待することとは
DRONEIIは今後もドローン業界の多様性が広がっていき、多様なビジネスモデルがうまれることを期待していると示した。広がり始めてはいるものの、まだまだ開拓されていないニッチな需要をもったマーケットもあるはずだ。ハードウェアももっと進化し、ドローン操縦に関する規制も、今後はどんどん臨機応変になっていくはずだろう。どうなれば可能性はもっと大きくなり、現在のドローン市場外、例えば通信業界などにもマーケットは広がっていくのではないか。