ドラスティックに変化する街と人
現在、毎日どこかでドローンについてのイベントが開催されているという深圳。またそれを支える分母数も多く、チャンスがあれば是非モノにしたいというアグレッシブな人も多い。そこで早速ドローンのイベントに出かける事にした。
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街のとあるコワーキングオフィスのオープンスペースで、ドローン関連企業やドローン愛好家の同士が集うサロンに足を運んだ。主催は政府の外郭団体でドローンパイロット免許を発行する「AOPA(Aircraft Owners and Pilots Association)」の認定校を運営するTENGYUN AIR劉氏。元々深圳航空の現役パイロットだった劉氏は、現職からドローンビジネスを起業した。今回は深圳取材に訪問に合わせ、我々もゲストとして招かれた。日本の情報は中々入手しづらく、台湾をベースにアジア全域でドローンに関してのリサーチやコンサルティングを行っている川ノ上和文氏が登壇し、日本のドローン事情を語った。
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TENGYUN AIRはドローン製造以外のドローン関連サービスを包括的に提供する企業。主な事業はAOPA認定のドローン操縦士育成校だが、保険や機体のメンテナンス、法律関連のコンサルティングやドローンのレンタルなど幅広い。実際に劉氏と同じく、AOPA認定ドローン操縦士を学ぶ者には現役のパイロットも多いと言う。
ドローン関連市場は5年後には2〜3倍になると実感しているが、課題として世界標準的な法律がないので手探り状態。それに加えて、教育の問題がある。モノがあっても使う人が広がらないと市場も広がらない。そういったこともあり、時間がかかりそうなパイロット教育の分野から手がけて、ユーザーのリテラシーを高めていきたいですね。
と劉氏は語る。
TENGYUN AIR 劉氏
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中国で2013年に制定された「民用無人機空中交通管理規定」では、
のいずれかに該当する場合はドローンの飛行免許が必要となる。そのため、免許を発行しているAOPAの教育プログラムでは、大型機の運用を前提として機体の組み立てから経験させたり、DJI社のS1000をATTIモードで飛行させたりと、現在の日本で多くの団体・企業が展開する教育プログラムとは一線を画す。研修期間も約1ヶ月みっちりと行い、価格は日本円で15万円程度だという。
このような高度なプログラムも、中国で唯一の民間航空の研究専門機関を卒業し、航空機パイロットの経験もある劉氏だからこそ、確実に提供できる。民間航空局やドローンメーカーからの信頼も非常に厚い。現在は今年後半に中国国内で展開予定のDJI本社が計画している教育プログラムにも参画しているとのこと。ハードウェア面だけでなく、教育プログラムにおいても、中国は日本の数歩先を行っているようだ。