株式会社セキドは、2016年5月17日、竹原商工会議所と共催で広島県竹原市のバンブー・ジョイ・ハイランドにてドローン活用セミナーを開催した。当日は51名が参加、ドローンのビジネス分野での活用法について可能性を探った。
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セミナーは2部構成になっており、前半は大下貴之社長よりドローン市場の現状やドローンが提供する価値、DJI Phantomシリーズの紹介など、ドローンをビジネスに活用するにあたって必要な基礎的な知識のプレゼンテーションが行われた。プレゼンテーション後の質疑では、参加者から具体的な技術に関する質問が飛び交い、知識吸収に貪欲な参加者の姿勢が感じられた。
後半は会場を多目的グラウンドに移してデモフライトとフライト体験会がおこなわれた。まずはDJIの農薬散布プロトタイプドローン「AGRAS MG-1」や、赤外線カメラ「ZENMUSE XT」を搭載したInspire1のデモフライトが行われた。特にMG-1はホイールベース1520mmの大型ドローンにも関わらず静かなフライト音に会場からは驚きの声が上がった。農薬を想定した水を積んだ状態でのフライトも姿勢が安定しており、正式プロダクトの発表が待たれるところだ。
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ZENMUSE XTのデモフライトでは、スタッフが木陰に逃げ込む姿を赤外線カメラで捉えるデモンストレーションが行われ、木の下で枝にぶら下がるスタッフの姿を見事に捉えていた。ただ、高高度からの撮影では日中の樹木の葉が熱を持って樹木の下に隠れる人が見つけづらかったり、解像度がそれほど高くないために小さく写った人が見づらかったりした。この辺りは撮影方法に少しコツがいるようだ。
今回のイベントの協力者のひとりで、地元で葬祭業を営む福本博之氏は次のようにコメントしている。
竹原市は一反あたりの面積が狭く高低差も大きい棚田が多いので農薬散布ドローンは農作業効率化に大きく貢献できます。赤外線カメラも獣害対策で活用できないか考えていた。ドローンは竹原市のような地域こそ積極的に使っていくべきでしょうね。
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デモフライト後は、各参加者がPhantom4を操作することができるフライト体験会が催された。51名の参加者が5チームに分かれてPhantom4を直接操作し、その安定感や映像・写真の美しさに見入っていた。
セキドの大下貴之社長は次のようにコメントしている。
普段は関東でイベントを開催していますが、ここ竹原市でもドローンに対する興味、熱意はいつものイベントとかわらない。飛ばす場所が多いという意味ではこういった地域の方がドローンを活用するチャンスが多いですね。
また、竹原商工会議所の田中雅一氏は次のようにコメントしている。
農家が自分で農薬散布ドローンを運用するかというわけではないので委託業者等のサービス提供者が必要ですね。そのような人材をどのように育て増やしていくかが課題です。
竹原市はドローンをフライトさせる場所という点では都市部に比べ多くの機会をもつことができる。全国にはこのような地域は多くあると思うが、労働力の確保や効率化といった視点でこういった地域こそドローンを活用していく必要性とチャンスがあるのではないだろうか。