マルコ・テンペスト氏とRhizomatiks Research(ライゾマティクスリサーチ)が制作した24機のドローンを使った演出が話題になっている。
マルコ・テンペスト氏は、テクノロジーを駆使するバーチャル・マジックを行うイリュージョニスト。ニューヨークを拠点に活動している。Rhizomatiks Researchは、真鍋大度氏と石橋素氏が共同主宰のメディアアーティスト集団。今回はこのマルコ氏とRhizomatiks Researchがタッグを組んだ。ドローンの群れはプレゼンターのマルコ氏の指示に従ってまるで訓練された鳥のように飛翔し、浮かび、急降下したりといった曲芸飛行を見せてくれる。世界中で使用に関するルールや安全について議論が交わされているドローン飛行だが、このデモンストレーションは非常にポジティブな印象を与えてくれるだろう。
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テクノロジーについて
今回のドローン同士のシンクロ技術はRhizomatiks Researchの真鍋氏と石橋氏らのチームによって制作された。このシステムはインドア・ローカリゼーションと制御システムが基本となっている。ライゾマティクスリサーチはドローン関係の仕事を3年以上続けており、MarcoTempest氏のパフォーマンスも彼らの技術をを後押ししている。
目指すゴール
彼らのゴールは人間と機械の親密なインタラクションとテクノロジーの擬人化への探求である。かつてサイエンスフィクションでは誰もが自分の機械とパーソナルなインタラクションができることを夢見ている。今日、我々はCortana、Siri、Google Nowと会話ができる。ドローンは我々のスペースに入り込んできた初めての機械かもしれない。これからもそういった機械は現れるはずだ。そしてこれからはそうした機械とスペースの共存を考えなければならない時代になるだろう。だからこそ、機械に幻想的な個性をもたせて擬人化することが必要なのだ。
開発について
ドローンマジックの開発には3ヶ月の期間がかかったが、機械の擬人化というイリュージョンはマジックの世界ではよくあるコンセプトだ。Marco Tempest氏は以下のように語っている。
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Jean Robert-HoudinやNevil Maskelyneのようなマジシャンたちもたくさんの人型自動人形を作っていました。そうしたマジシャンたちは、カードをプレイしたり、楽器を演奏したり、人間の裏を書くような自動人形を作っていたのです。現代におけるマジシャンの挑戦は、ポケットの中にあるテクノロジーで奇跡を起こし、観衆を感動させることです。その挑戦こそが私を突き動かすのです。