DJI社のドローン「Inspire 1」はミズーリ大学ジャーナリズム学校にて次世代の「ドローなリスト」育成のために用いられている
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FAA(アメリカ連邦航空局)は、公共の空でのドローンの商業利用について未だ検討中だが、アメリカのジャーナリストや報道組織は既に情報収集のために無人航空機の操縦の練習を始めている。ドローンを用いた情報収集方法は各放送局で注目を集め、人気となっている。様々な場所へのニュースを集めにいく彼らがこういった技術に注目をおくのは当然だろう。
これまでジャーナリストたちは、他の人々が見えない場所の情報を集め報道するために高いヘリコプターを飛ばし、大きなカメラや機材を使っていた。しかし今日、ドローンに高性能カメラを載せれば今までジャーナリスト本人たちも行くことができないとされていた場所での出来事ですらとらえることができる。そのためNew York Times やWashington Post等の米国の主力である報道組織はFAAの指定したテスト地であるバージニア工科大学にて報道における写真や映像をドローンで撮るシミュレーションを行っている。
我々AP通信社は他のリーディングカンパニーと共に、私たちが現在世の中で起きていることをもっと深く理解するための情報収集のために安全で責任のあるドローン技術の使い方を探求できることにとてもうれしく思っている。
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― Santiago Lyon氏 AP通信社 写真ディレクター
それ以外にも、CBS等他の報道ネットワークは1986年の原発事故の後から人の近づかないチェルノブイリの現在を、ドローンを用い空中から撮影している。ジャーナリストたちが望んで行かない場所に気軽に取材に行けるだけでなく、ドローン・ジャーナリズムまたは「ドローナリズム」はコスト面でも手軽だということも報道局にとっては魅力だ。
無人ヘリコプターや固定翼航空機はホビー・ショップやインターネットで$1,000もせずに購入できる。それに比べて、取材のためにヘリコプターを借りるのは$1,500程、そして所有をするにはもっとそれ自体の値段意外にもパイロットに年間で渡すお金だとか燃料やメンテナンスや色々に膨大なお金がかかる。
― Matt Waite氏 ネブラスカ大学 教授(ジャーナリズム)
その人気、注目度とメリットにも関わらず、FAAはドローン技術の商業利用に関する判断は遅い。現在ドローン映像で報道での使用に許可が下りているのは、緊急ニュースになり得る映像をとらえた、第三者によるアマチュア映像のみだ。しかし、ジャーナリストや米国の大手メディアはこれらの技術を用いて映像を報道するのは「表現の自由」であると信じ、FAAに対し規制を緩めるべきだと考えている。将来的に規制がなくなるという期待もあり、ミズーリ大学のドローンジャーナリズムを扱うカリキュラムなど、米国の一部の報道に関する教育を行っている学校では既にDJI社のPhantom 3の操縦方法などを学生に教えている。
私たちはこういった技術を扱うことができるべきであるし、そのうえで学生たちに正しい使用方法を伝えるべきだ。私たちはそうする。そして学生たちもそれに責任を持つことができるはずだ。ドローンを飛ばして取材をするのはきちんと技術に関する教育をうけて責任をもてるようなジャーナリストであるべきだ。
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― Bill Allen氏 ミズーリ大学 助教授(サイエンス・ジャーナリズム)
FAAの規制が緩和される時のために準備するだけでなく、CNNなどの大手メディア会社はUAV技術が衛星やヘリコプターの様に報道に欠かせない存在になっていること、更にそれらよりも安全で安く扱えることを明確に意思表示している。
趣味レベルではなく様々なUAV技術やカメラを用いて高品質の映像を報道で使えるかという可能性をもっと広げて提示いくのが私たちの目標だ。
― David Vigilante CNN常務
UAV技術は、報道や取材をボーダーレス化するかもしれない。空中からの写真が地域の新聞の表紙を飾ったり、テレビの生放送でその映像が観られたり、UAV技術が報道で活躍し私たちの目に留まる日もそう遠くないかもしれない。