無人航空機(ドローン)の規制を盛り込んだ航空法改正案が9月4日、参院本会議にて全会一致で可決され、成立した。住宅が密集する地域での飛行や時間の規制など、基本的なルールが敷かれた。
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ドローンについては新産業として注目を集める一方、総理大臣官邸の屋上でドローンが発見された事件をはじめ、長野県の善光寺など国内外で落下事故が発生していることを受けて、安全面の確保が議論の対象となっていた。
今回の改正案成立により、空港周辺や人や住宅が密集する地域上空での飛行には、国土交通大臣の許可を受けないかぎり、原則禁止となる。つまり、人口密度が高い東京23区のほか、道府県庁所在地のほとんどが対象になる。具体的な禁止空域は施行までに決め、国土交通省のホームページなどで見られるようにするという。そのほかの場所についても飛行させる際は原則、時間帯は日中で、周囲の状況を目視で常に監視すること、また、衝突を防ぐため、人や建物との間で一定の距離を保たなければならない。これらに違反した場合は50万円以下の罰金が科される。例外には、公共機関による事故や災害時の救助活動が認められた。
国土交通省は7月の閣議決定段階で、今回の改正案を「緊急的な措置」と見なしている。政府はさらに、操縦者への免許制も検討しており、国の重要施設の上空で無断飛行させることなどを禁止する「ドローン規制法案」が第二弾として検討中。今国会中の成立をめざして審議されている。
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(山下香欧)