総合防犯対策サービスの綜合警備保障(ALSOK:アルソック)は、小型無人飛行機(ドローン)の侵入をセンサーで感知・警報するサービスを6月から開始する。首相官邸へのドローン落下事件などを受け、“悪玉ドローン”対策への取り組みを加速化した。
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ALSOKは、上空を飛行するドローンを「安全」に無力化することは非常に困難であり決定打と言える対策は現状ないとしている。今回の取り組みは、音響センサーや画像センサーなどを組み合わせて悪意あるドローンの侵入を早期に検知・識別してリスク分析を行い、関係者や関係機関に通報するというもの。同時に、IT機器を装備した「ALSOKハイパーセキュリティガード」がリスクに応じた対応を実施することで被害の拡大防止につなげる。料金はセンサー1台の場合、月20万~30万円前後の予定。サービスを拡張し、カメラや探知機を利用することで、ドローンの飛行探知や操縦者の追跡も可能になる。
今回のドローン対策は、ALSOKが提唱する新警備のコンセプト「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント」の一環で進められている。この体制は、警備員とICTを組み合わせ、空間・雑踏等に対する警備を高度化するもの。ウェアラブルカメラやスマートフォンなどを装備した警備員、防犯カメラやデジタルサイネージを利用したセンサー・機器類、最新警備ロボット「Reborg-X(リボーグエックス)」などを警備に活用する。
実はALSOKではこの4月から、ドローンを使ったメガソーラー向けの空撮点検(ホットスポット探査)サービスを開始している。エンルートの産業用ヘキサコプター「ZionFH940」を改造および3Dロボティクス化し、2台のカメラ(GoProおよび赤外線カメラ)を搭載し、上空からパネルを撮影する。
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ALSOKが採用したドローン。幅140cm、高さ45cm
サーモカメラを通して人がパネル1枚ごとに確認する従来の方法よりも、ホットスポット発生の疑い箇所を早期に発見できるとしている。ヘキサコプターの改造部分としては、自律飛行ができるようにし、また従来2個のバッテリーしか搭載できなかったものを4個に対応できるようにしたことで、フル充電の状態で20分間の飛行が可能となった。また施設空撮サービスの開始も予定されており、空撮画像より生成した3次元地形データにより、建設用地選定の支援を行うというもの。
(山下香欧)