DJI Mini 4 Pro入手、さらに純正LTEモジュールをゲット
これまで DJIのMiniシリーズはすべて発売日に購入していたのですが、Mini 4 Proは日本帰省などが重なり発売日から遅れての入手となりました、しかしそれでも新しい機体は嬉しいものですね。
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Mini 3 Proとの違いなどを確認しながらの開封、ワクワクしました。
気分が上がるとアクセサリーを探してネットを彷徨うのが正しいドローンパイロットの姿、NDフィルターやらバッテリーチャージャーなどを物色していたのですが、ふと思いついてDJIの本家中国本社サイト(簡体字のみ)を覗いてみたらこんなものに目が止まりました。
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リンクをクリックすると日本サイトに遷移してしまいますが、画面内にある「中国大陸CNY」というメニューをクリックすることで強制的に中国サイトに移動できます。
LTEモジュールとブラケット紹介
注文後、手元に届いた製品の開封から機体装着までを紹介します。
実は手元に届いてパッケージの「TD-LTE」をみて嫌な予感がしましたが、ええい ままよと手持ちの中国移動香港SIMを通信モジュールに装着するも、うんともすんともいわず電波を掴めませんでした。注文時に見た中国本家サイトは4G記載のみで、通信方式であるTD-LTEという記載はなかったんですよね(涙)。
一般的に香港は日本同様FDD-LTEが標準、数年前までは中国旅行者のローミング対応のためにTD−LTEも用意していましたが、5Gメインになったいまはそれも停波しているようです。
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参考)TD-LTE(Time Division Long Term Evolution)とFDD-LTE(Frequency Division Duplexing Long Term Evolution)は、ともにLTE(第4世代移動通信システム)の技術規格ですが、データの送受信に使う方式が異なります。TD-LTEは主に中国で、FDD-LTEは日本やアメリカ、ヨーロッパなど多くの国で採用されています。
こうなると中国国内で飛ばすしか方法がありません。
コロナ期間中は厳しいゼロコロナ政策だった中国も、いまでは比較的入国しやすくなっています。とはいうものの、日本人は以前のようなビザなし二週間の渡航は認められず、入国の都度VISA申請するか、ビジネス渡航を前提としたAPEC査証を取得するという方法があります。私はこのAPECカードを所有していますので以前のように入国が可能です。
この辺りは本筋と離れますので、また機会があればどこかで解説したいと思います。
2024年 ドローン登録が厳しくなった中国
中国では今年に入ってドローン規制が厳格化されており、以前申請済の登録にも追加情報を求められています。以前の登録(6年前)はこんな感じでスムーズでした。
実は今回は数週間かけて申請登録していたのですが、結局コラム執筆時点で申請が通らず、3月のコラム掲載タイミングを考えて、一旦申請を諦め、Mini 4 Proを飛ばさずに通信検証のみ中国深圳にて行うことに方針転換しました。
深圳のDJIストアで設定&検証実験
私の住む香港から深圳はバスで1時間ほど、朝遅く出ても昼食前には到着します。今回は深圳の地下鉄「購物中心駅」という大きなショッピングセンターが集まるところで実験します。ここを選んだのはDJI直営店があるからで、まずこのTD-LTEモジュールの設定サポートを受けたかったからです。
4G TD-LTEモジュールについて尋ねると親切にサポートしてくれました。私の手持ちの下記SIMカードのうち中国国内発行の中国電信SIMで接続が確認できました。
- 中国移動香港SIM(香港発行SIM)ローミングを想定― NG
- 中国電信SIM(中国深圳発行SIM)― OK
DJI RC2 LTEモジュール設定
次にこの中国電信SIMをLTEモジュールに装着した状態でDJI RC2の設定画面を紹介します。
LTE設定画面1
LTE設定画面2
上記プロフィールから機器管理メニューに入ります。
LTE設定画面3
LTEセルラードングルをタップします。
LTE設定画面4
ネットワークプロバイダーを選択できるメニューがありますが、実際には選択不要でした。
LTE設定画面5
eSIMも選択可能となっているので次回はこのあたりも検証したいところです。
LTE設定画面6
APN設定画面がありますが、何度設定しても保存ができませんでした。またこれが理由で私の中国移動香港SIMが利用できなかったのではないかと考えます。
LTE設定画面7
上記設定が完了するとこのような画面表示になり、上空ネットワークと地上ネットワークはそれぞれ無効となっていました。ここで「高度な伝送」のトグルをオンにすることで有効になるようです。
LTE設定画面8
上記、高度な設定をONにするとこのような注意が表示されるのでOKを押します。
LTE設定画面9
これで「上空ネットワーク」「地上ネットワーク」にそれぞれ「強」と表示されました。
注)最初、4G接続が確立しなかったときに一旦、送信機の言語設定を中国語(簡体字)にすることで接続が確立、これは単に通信確立するのに時間がかかったのか、それとも言語設定を中国語にしたことが功を奏したのかは、今となってはハッキリしません。もし同様な状況になった方はお試しください。
通信が確立したので本来なら検証フライトしたいところですが、先に述べたようにまだ操縦者登録とドローン機器登録ができていないので、このDJIが入っているビル周辺をドローン手持ちでテストしました。
実験環境紹介
- 機体:中国電信SIMをTD-LTEモジュールに挿入
- DJI RC2:手持ちアンドロイド携帯をホットスポット設定し送信機 DJI RC2をWi-Fi接続
上記設定をすることで、2.4GHz/5GHz帯を使ったO4(送信機信号接続)とTD-LTEセルラー接続の2方式で機体とコントローラがつながっていることになります。
検証の方法は、知人が機体を持ってビル周辺やビル内を自由に歩いてもらい、わたしはスタートポインでDJI RC2の画面をモニタする方法です。(動画リンクを下記に掲載しています)
障害物などでO4接続が切れ、バックアップとしてセルラー接続により継続して、ドローンからの映像がDJI RC2 画面に表示されれば、検証成功と判断します。
今回実験したショッピングセンターの周辺写真、かなり大きなビルであることがわかると思います。
検証時DJI RC2 画面映像
DJI RC2の検証時キャプチャー画像から重要ポイントでスクリーンショットを何枚か撮りましたのでご覧ください。
動画をご覧いただくとO4が切れる瞬間や、通信が不安定で映像がパラパラになる様子がご覧いただけます
検証スクリーンショット1(実験開始直後)
画面右上[RC]、[4G]ともにしっかりとフルで繋がっていることがわかります。
検証スクリーンショット2(動画 1:53あたり)
実はビルの周辺では接続が弱くなりましたが切れることがなかったので機体を持ってショッピングセンタービル内に入りました。そこでようやく送信機信号に関する注意が表示され[RC]が赤色になり接続が切れかかりました。
検証スクリーンショット3(動画 1:59あたり)
その後、数秒で[RC]信号切断表示になりました。しかし[4G]セルラー信号により映像が引き続き送られていることがわかります。
検証スクリーンショット4(動画 2:54あたり)
サービスショットw
さきほど設定してもらったDJI Store前の映像です。ここでも[RC]は切れています。
検証スクリーンショット5(動画 3:32あたり)
ビルの出口に近づくことで再び[RC]通信が戻っていることがわかります。
LTEモジュールの使用経験を通じて得た洞察とDJIへの提案
この度のLTEモジュールによる試験では、実際の飛行検証まで進めることはできませんでしたが、将来的な飛行テストに向けた重要な下準備を行うことができました。中国での正式な登録完了後、実際に飛行テストを実施し、その成果をこちらのコラムで紹介することを楽しみにしています。
LTEモジュールの導入により、特にO4通信が不安定な時の代替手段として、またO4のカバー範囲を超えて飛行する可能性を模索する上で、通信の安定性向上と範囲拡大の観点から大きなメリットがあることを実感しました。
今後の展望として、DJIには5G技術を活用した通信モジュールの開発を期待しています。5Gならではの高速で反応性の高い通信をドローン操作に取り入れることで、セルラー通信を使用してもより迅速かつ安定した操作が可能になり、飛行の新たな地平を開くことが期待されます。