XPONENTIAL 2023から見えるドローンの現在
今年もXPONENTIALに参加できる機会を得ましたので、皆様に空☆ひろし目線で世界のトレンドをお伝えしていきます。前回はフロリダ、今回はデンバーでの開催です。去年に比べ、今年は出展数、参会者も多く、日本人の来場者も多くいました。今年になり状況も変化しています。昨年と比較しながら今年のXPONENTIALをお伝えしていきます。
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久々のアメリカ出張は楽しみですが、毎度、乗り継ぎに間に合わない、おばさんたちのマシンガントークを2時間受け続ける、という恒例のトラブルは日頃の行いが良いのか何もなく、無事に行くことができました。
会場から見えてくるいろいろ
カンファレンスでは、ロシアとウクライナの戦争から、民間ドローンが使用され、ドローンおける様々なリスクに変化し続けるための仕組み作りが大切だという、去年には無いテーマが多くありました。また、アメリカでは、軍や政府がスタートアップや中小企業の新しい技術をいかに早く取り入れるか、そのための機関や制度の道筋がしっかり明確化されています。制度によっては参加企業の利益化を最終目標としています。
展示会場では大型機体展示が目を引くのですが、今年は大型機体の展示は少なく、より現実的な物流目的サイズの実機展示多かったことも印象的でした。
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DRONEUPという企業では実際に実務をアメリカ国内で34カ所、10万時間以上と膨大な時間を費やしています。また連携しているパイロット27,000人以上おり、実際の実務を積極的に行うことで、課題や問題点を洗い出いし、改善し続けています。
これだけの実務を行いながらも、FAAに報告する様な事故は0件だそうです。ちなみに毎年Tシャツを配っており、今年もいただきました(笑)。
去年は、DJI Enterpriseが出展していましたが、今年は複数の代理店や州と共同で数カ所出展していました。
アメリカでは何かと取り上げられるDJIですが、敬遠されていることはなく、会場を見渡せばDJI社の機体は数多く出展されています。DJI製品に関するサードパーティーのメーカーも多数出展されていたことはいうまでもありません。
DJI機体が得意とする分野にはなかなか参入は難しいため、各企業は別方向でさまざまな提案を行なっています。
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BRINC Drones社の「LEMUR2」の機体は、立てこもり事件や、煙が立ち込めるような家屋火災の際にガラスを割る構造を持ち、ガラスを割り建物内に入りレーザーを照射し内部構造をマッピングし把握できる機能を持ち合わせています。
DJIにない機能や性能に特化し、完全にターゲットを消防や警察に絞った製品にしています。
ソニーのAir Peakも新しい動きが見えました。オプションのRTKモジュール、大容量バッテリーの実物を展示しており、自社のカメラではなく、今回初めてLiDARを搭載した展示もされており、空撮映像から、産業用途にシフトする動きを見せています。
人が乗ることができるドローン「EHang216」の展示がありました。この機体は2021年に岡山県で「空飛ぶクルマ」として、国⼟交通省航空局より日本で初めて屋外での試験飛行を成功させた機体です。
最近ではLIFT AIRCRAFT社のeVTOL「HEXA」の機体を丸紅が大阪城公園内で有人実証飛行を行いGMO熊谷代表がパイロットとして飛行し、DRONE.jpでもニュースにもなっていたのは記憶に新しいことです。
有人機はハードルが高いため、今後ある程度淘汰され、実力のある会社の出展が増えてくれば、空飛ぶクルマの展示会も近い将来開催されると思います。
会場の臨場感をお届け
今回DRONE.JPはAUVSI XPONENTIALのメディアスポンサーをしており、事務局の協力で、会場をMatterportで撮影してきました。かなり大きな会場でしたが、427カ所を約4時間程度で撮影できました。
Matterportは非常に簡単に取り扱いでき、撮影自体も簡単ですが、撮影したデータをクラウドに上げるだけで、3Dのバーチャル空間が生成されます。
工場見学、バーチャルショップ、不動産業へと様々な業種に使用できます。ぜひ一度ご覧ください