徳を積む
まずは気分を落ち着かせてください。DIPS2.0を扱うには平常心が肝心です。決して画面に向かって暴言を浴びせたり、キーボードを叩いたり、マウスをぶん投げてはいけません。なにかうまくいかない部分があれば、そこは修行だと思ってください。うまく切り抜けられたら、徳を積んだと思いましょう。きっと今後いいことがあります。
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ヘルプデスクにつながらないからと言って、航空局に直接電話をかけてはいけません。システムから表示される文言を読むのではなく、感じるのです。それを念頭に読みすすめてください。
DIPS2.0にバージョンアップ
2022年12月5日より航空法が改正され、それに伴いドローンの許可承認を申請するシステム、ドローン情報基盤システム(通称DIPS)がバージョンアップいたしました。以前から申請するシステムのDIPS、飛行情報を共有するFISS、ドローンの機体登録をするシステムがあり、それぞれにIDとパスワードが必要で、分散していたものが統合されたというわけです。基本は機体登録のシステムで、それに旧DIPS、旧FISSが加わった感じです。
なので、DIPS2.0へのログインは機体登録システムのIDとパスワードで行なえます。私はそれがわからず、なかなかログインができない上に、新規ID発行をしようとしても、メールアドレスが使用されているというエラーが出てしまい、ちょっと苦労しました。そんなわけで、このDIPS2.0は使用するのに若干のクセがあります。詳しい使用方法は国土交通省のサイトにありますマニュアルを見ていただくとして、新たに変わった部分や、ハマりそうな部分を抜粋してご紹介しようと思います。
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無人航空機情報・操縦者情報
DIPS2.0にログインするとまずはメインメニューが表示されます。そして最初に行うのが無人航空機情報の登録と、操縦者の情報の登録です。最初に無人航空機情報を見てみましょう。機体情報の一覧が表示されます。
登録記号と製造番号は伏せさせていただきます。公にしたところで問題はないのですが念の為。まずひとつ、なぜ横にスクロールバーが出るのか。ページの横に余白があるのに、わざわざスクロールバーが出ます。ウィンドウの幅が狭い場合にスクロールバーが出るのはわかりますが、中途半端にボタンが隠れてしまいます。それなのに縦はスクロールバーが出ずに、10件までの表示で、それ以降はページが分かれてしまいます。おっと、いけないいけない、愚痴はこの辺にしましょう。ひとつ徳を積みましたね。
このように一気に一覧が表示されました。これは、機体登録をすでにしていたため、その情報が表示されました。ちょっと下にスクロールするとボタンがあります。
ここでは、新規機体登録のボタンがありません。つまり、ここは申請用のページですので、DIPS2.0のトップに戻り、無人航空機登録申請のページから、登録申請をして、申請料を支払い、番号が交付されて初めてここへ表示される仕組みなのです。旧DIPSの際は手入力で機体の情報を入力できましたが、DIPS2.0からは登録申請済みのものしか表示されません。
ここで問題になるのは、レンタルやリースのドローン、所有者が自分ではないドローンはそのままでは表示されないし、入力もできないので、所有者が貸し出すドローンの情報を他のアカウントへの機体情報の提供ボタンから機体情報を提供してもらわないと申請できなくなりました。ドローンレンタル会社やリース会社は、とても手間が増えました。
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操縦者情報の項目も少し変わりました。基本的には旧DIPSと変わらないのですが、今後国家資格に合格すれば技能証明者番号が入るのと、今までのドローンスクールでホームページ掲載団体の技能証明を入力する項目がコードで入れられるようになりました。旧DIPSでは1500位ある団体をプルダウンから選ばなければいけませんでした。
それもこれ、あいうえお順でもなく、ABC順でもなく、多分登録順でした。そう思うと、旧DIPSの頃から徳を積んでいたことになりますね。DIPS2.0でもコードはPDFで探さないといけませんが、検索が使えますし、親切な団体は受講者にコードを伝えていると思いますので楽になっているはずです。
カテゴリー判定
自分が飛行しようとしている計画はどのような申請が必要なのか疑問に思いますよね。そこで今回、自分が所有しているDJIのMavic MiniとMini2が今年の6月2日から模型航空機から無人航空機になったあと、申請をしていなかったので、申請をしてみたいと思います。
まずDIPS2.0から追加されたカテゴリー判定をしてみます。
設問に答えていくだけです。私は、
- 人・家屋の密集地域の上空
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人・家屋等から30m未満
- 補助者を配置する
- 立入禁止区画を設定する
- 立入管理区画を設定する
- 立入管理区画を設定する(レベル3飛行)
以上を選択、係留と機体認証はなし、25Kg未満でカテゴリーIIA(レベル3)と判定されました。
申請が必要ないカテゴリーの場合は申請ボタンが現れない様になっています。申請が必要な場合はここから申請へと続いていきます。
機体情報一覧・選択
その後は言われたとおり入力していき、エラーが出たらその部分を修正していけばいいと思います。
ただ一つ、機体情報の選択部分だけ注意が必要です。機体情報は冒頭で一覧みたじゃないかと思いますよね。冒頭の機体一覧はあくまで一覧で、その中からどの機体を申請するのか選ぶのがこの機体情報一覧・選択です。
ここで機体を選択しますが、ひとつ注意事項です。
この画面でいきなり機体追加ボタンを押すと登録されている機体を全部追加しようとしてしまいます。
そして私の場合、自作機など情報が足りない機種が多く、エラーになってしまい悩むと思います。
複数機体が登録されている場合はプルダウンから機体を選んでから追加してください。
そして選択した機体を登録しようとするとエラーが出ると思います。人・家屋の密集地域の上空の適合基準を満たしておりませんと出ています。
その際は左までスクロールすると追加基準というボタンがあるのでこれを押して追加基準を選んでください。
追加基準はそれぞれ自分の飛行に合うものを選択すればよいのですが、資料の一部を省略することができる無人航空機に登録されている場合は写真を付けて登録しようとするとエラーになります。ただ、その際にエラーのまま再度登録すると、写真が削除されるようなので登録できます。ここがわかりにくいところです。
さらに、登録ができていると思って次に現れる画面がこれです。
追加基準入れたのにエラーが出ている、と思ってカッとならないでください。どうやらエラー表示が更新されない仕様のようです。ここでまた追加基準のボタンを再度押さないでください。ここでは冷静に、エラーが出ているのに登録ボタンを押してください。次の画面に進めれば徳を積んだと思ってください。次の画面に進めない場合は本当のエラーです。それで判断してください。
現在の状態
上記内容は2022年12月中旬現在の情報です。DIPS自体は常にアップデートされているので、メンテナンス中もイライラせずに、より良くなっていると思ってください。次回は申請時に必要なマニュアルや、飛行計画の通報について、また、今回私が申請した内容が無事許可承認が降りたのかなど続報をお伝えできればと思います。