DJI製新型ドローンMavic 3
昨年DJIの新型ドローンMavic 3が発売されました。旧機種のMavic 2が発売されてから少し間が空いていたので、首を長くして待っていた方も少なくないと思います。私も発売してからすぐに入手していたのですが、機能が未実装だったり、そもそも飛ばす時間が確保できないなど、中々触る時間が確保できなかったため気が付けばこんだけ遅くなってしまいました。
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まずは他の人がレビューしていないような内容で、なおかつスペック表にも出ていない内容を紹介していこうと思います。また、YouTubeに動画もアップしていますのでそちらもあわせてご覧ください。
機動性
最初は機動性についてです。従来のMavic 2では直進なら直進、回転なら回転と、他の舵をミックすることがありませんでした。例えば、前進しながら旋回の操作をするとします。そうすると、どうしても遠心力や、元々の水平を保とうとする制御が働き、機首方向とずれた動きをしてしまいがちでした。
Mavic 3では前進しながら旋回をすると、内側に傾くロールの動きが自動的に入り、綺麗に円を描いて曲がってくれるようになりました。つまり、旋回の動きにロールの舵が勝手にミックスされるようになりました。
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Mavic 3でも自分でロール操作をすれば同じことが出来るのですが、ある程度操作に慣れた人でないと、中々この操作はできません。それが、誰でも出来るようになりました。飛ばしていても思ったラインが描けるので気持ちいいです。
この舵がミックスされる動きは旋回だけではなく、機首を中心にむけて回転するノーズインサークルの時も働き、前方に傾くことにより、綺麗に円が描けます。ただ、ちょっと傾きが強く、内側に切り込みすぎる気がします。
露出制御
ドローンで空撮を行う際は、基本的にシャッタースピード、絞り、ISOはマニュアルで設定し、露出を制御していることが多いです。ただ、暗い影から明るい日向に上昇していく際や、その逆の場合は、暗い方に合わせると、明るいところで白く飛んでしまい、逆に明るい方で合わせると、暗いところで暗くつぶれてしまうことがあります。
そのような場合は、絞りをオートにすることが多いです。シャッタースピードをオートにしても良いのですが、動画の場合、シャッタースピードが早すぎると、映像がパラパラとぎこちなく見えてしまうことがあるため、基本的にはフレームレートの倍ぐらいに設定しておくのが基本となっています。もちろん見え方などによって色々ありますが。
Mavic 2はこの絞りのオートが使い物になりませんでした。なぜなら、絞りが変わる時にパッと次の値に変わるため、映像でも明るさがカチカチ変わってしまうからです。静止画の際は問題ないのですが、動画だと気になってしまいます。ドローン以外のカメラでもそのような問題が起きますが、動画に強いカメラの場合、絞りが変化する際、パッと変わらずに、じわっと変わるようになっています。シネマレンズなどでは絞り自体にクリック感がなく全てスムーズに動くようになっています。
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この部分は以前から不満に思っており、INSPIRE2のX7もシネマと謳っていながら絞りがパカパカ変わるなど、本当にいまいちでした。
この部分がMavic 3では改善されており、絞りの変化がだいぶ目立たなくなっています。
また、今まではISOもオートにできたのですが、それはフルオートか、絞りかシャッタースピードがオートの時のみでした。それが両方ともマニュアルでもISOをオートに出来るようになりました。
むしろ、今までなんで出来なかったのかが疑問です。
映像外部出力
Mavic 3のCINEにはモニター付きのコントローラー、RC PROが付属します。これは以前のスマートコントローラーのバージョンアップ版にあたります。Mavic 2でもスマートコントローラーにしないとHDMI端子がなく、外部ディスプレイに映像を出力できなかったので、Mavic 3でもRC PROにすることにより映像の外部出力が可能になります。
RC PROには充電用のUSB-C端子が搭載されているのですが、何の気無しにモバイルモニターをUSB-C to USB-Cで接続してみたら、なななんと、映像がちゃんと出力されました。HDMIじゃないとだめだと勝手に思っていたので、ちょっと驚きました。さらにさらに、タッチパネル搭載のモニターなら、操作までできてしまいます。
RC PROはかなり便利じゃないかと思い、そういえばスマートコントローラーにもUSB-C端子がついており、ためしに同じようにモバイルモニターをつないでみたら、映像も映るし、操作もできました。
もっと早く知りたかったよー。これ、皆さんご存知でした?
これだけではあれなので、スマートコントローラーからRC PROになったことによる変化は、スティックの感覚になります。
分解していないので確かではないのですが、多分このスティックはホールセンサーじゃないでしょうか。
スマートコントローラーなどのスティックは可変抵抗による接触型のセンサーが使われていますが、ホールセンサーは磁気を利用し、非接触なためとてもスムーズに繊細な操縦ができます。このおかげで非常にスティックの操作感が良いと感じます。ただ、Mavic 3にそこまで繊細な操作が求められるかというと、そこまでではない気がします。DJI FPVのコントローラーもホールセンサーのような気がしますので、もしかしたらRC PROもDJI FPVで使えるようになるのですかね?
正当進化のMavic 3に満足
Mavic 3の評価は、カメラのセンサーサイズ、Apple ProRes対応、より長くなった飛行時間などが取り上げられがちですが、細かなところも進化していると実感しました。
YouTubeに実際の飛行動画を上げていますので冒頭の動画もご覧ください。次回はちょっと使いにくいと感じた部分をまとめたいと思います。