あたらしい3Dプリンター
前回に今まで私が使ってきた3Dプリンターたちを紹介してきました。そして、今回新しい3Dプリンターを購入したので、その選考過程など、決め手になったことをご紹介したいと思います。
- Advertisement -
いくつか候補に挙がった機種があります。1つ目はFLASHFORGE製のAdventurer3Xです。
FLASHFORGEはたくさんのラインナップをそろえていて、色々調整の難しい3Dプリンターの中では、製品としての完成度が高いです。ただ、完成度が高いと融通が利かないという部分もありますが。
もう一つ興味があった部分が、Adventurer3Xは金属フィラメントでモデルを出力後、脱脂・焼結をすることで金属モデルが作れるということです。フィラメントも限られますし、出力後にモデルを送って処理する必要があります。また、ちょっと縮むようですね。なので、さらに縮んだ分を逆算して修正する必要がありそうです。金属出力はとても魅力的なのですが、手間がかかりすぎるのが懸念点です。
- Advertisement -
2つ目の候補は、QIDI TECH製のX-PROというモデルです。選んだ理由としては、印刷する射出部分のエクストルーダーが2つあり、2色のフィラメントを使ったり、1つを水溶性のフィラメントにしてサポートを簡単にはがせるようにしたり、2色のフィラメントを使うなど色々なことができます。
2機種ともとても興味深い機能が付いていましたが、実際は別の機種を購入しました。
購入したのはCreality製のEnder-7です。
Creality製の少し前の機種Ender-3がここ最近、かなり普及している機種ではないでしょうか。そのため、WEBやYOUTUBEでEnder-3と検索すると、とてもたくさんヒットします。改造パーツや、問題の解決方法など、かなりの情報がある機種です。値段もとても安いです。Ender-7はその後継機にあたります。
2021年に発売されたばかりのモデルですし、まだまだ情報は少ないですが、これから増えてくるかなと思っています。ただ、Ender-3ほど安くはないですが9万円以下です。
- Advertisement -
そして、私がこの機種を選んだ一番の決め手が、最大250mm/sという印刷速度です。
大体一般的な3Dプリンターの印刷速度は100mm/sぐらいです。つまり倍近くの速度で印刷できるということです。
そうなんです、この印刷時間というのが3Dプリンターの面倒な部分なのです。簡単なものでも数十分の印刷時間がかかります。そして、大体は一発で印刷できません。修正してはプリントしてという工程の繰り返しです。その印刷が早くなれば、工程にかかる時間が削減できます。
ただ、250mm/sという速度はあくまで最大スペックという感じのようです。
テストプリントで付随してきたウサギのモデルを印刷してみたのですが、ところどころ印刷のずれが見えます。
このサイズでありながら、4時間ほどで印刷できたので、確かに速いです。通常なら8時間近くかかると思います。
早く印刷するにはヘッド部分を早く動かせばいいという単純なものではないようで、エクストルーダーがフィラメントを溶かし、射出する部分が間に合わなくなる可能性があります。そうすると材料が足りず、スカスカになります。フィラメントを送り出す部分にも負荷がかかります。また、射出した後にしっかり冷やす必要もあります。
このように、設定部分を色々考える必要がありそうです。
まだ設定が詰められていないのですが、テストプリント以外でプリントしようとしても最大速度の250mm/sではまだうまくいっておりません。そんなにいじる時間を確保できてはいないのですが、今後じっくり詰めていく楽しみができました。
Ender-7では懸念点がひとつあります。それはエンクロージャー、つまり囲いがないことです。3Dプリンターは温度管理が重要です。夏印刷するのと冬印刷するのでは、ヒビや反り、剥がれなどのトラブルの発生率が違います。できれば印刷エリアを囲って、温度を管理したいと思います。
そんなパーツを作って、Ender-7のコミュニティが活発になる手助けができればなと思います。
もうすでに誰かが作ってそうですが。
これからの予定
じつはもう一つ計画があります。
それはもう使わなくなった3Dプリンターの活用です。
前回紹介したXYZ製のダビンチJrですが現在こんな姿です。
先ほど必要だと書いたエンクロージャーを外してしまっています。
そして、この3Dプリンターにこの部品たちを組み込もうと思っています。
元の基盤をはずしてこれらのコントロールボードと、モータードライバーを組み込むのですが、これで新たに3Dプリンターにするのではなくて、CNC化しようとたくらんでいます。CNCとはコンピュータ数値制御 (Computer Numerical Control)のことで、コンピュータ制御の切削工作機のことです。
特に、3Dプリンターを改造して作るので、CNCフライスになります。3Dプリンターは材料を溶かして積み重ねるものですが、CNCフライスは逆に立方体の材料を削って形を作っていきます。いわゆる削り出しですね。
もともと力がかかることを想定されていないのでモーターのパワーが足りないことはわかっているのですが、まずは仕組みを理解するために作ってみようと思っています。
エンクロージャーも保温のためではなく、削りカスが飛び散らないようにするために戻す予定です。
このCNCについても、そのうち書けたらと思います。
いつになるかはお約束できませんが。