今年2月のCES2020で発表された折りたたみ式6Kドローン「AUTEL ROBOTICS EVO II Pro」がついに日本国内でも発売となります。趣味にも仕事にも使える空撮ドローンと言えばDJIの独壇場ですが、ひさびさに“対抗馬”と言える高性能ドローンが登場したという感じでしょうか。今回はこの6K動画撮影に対応した空撮用主力機「AUTEL EVO II Pro」を3回に渡ってレビューしていきたいと思います。
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ラインナップは3種類!用途に合わせた選択が可能
AUTEL EVO IIのラインナップは3種類。8K対応(フレームレートは25fpsなので静止画がメイン?)のEVO II、6K対応/1インチセンサー搭載のEVO II Pro、赤外線カメラ&8Kカメラ搭載のEVO II Dualです。
機体名 | EVO II | EVO II Pro | EVO II Dual |
RGBイメージセンサー | 1/2インチCMOS | 1インチCMOS | 1/2インチCMOS |
静止画解像度 | 48MP | 20MP | 48MP |
ビデオ解像度 | 8K(7680*4320) | 6K(5472*3076) | 8K(7680*4320) |
フレームレート | 8Kは最大25fps | 6Kは最大30fps | |
ズーム | 1-8x(4xロスレス) | 1-8x(3xロスレス) | 1-8x(4xロスレス) |
最大飛行時間 | 40分 | 40分 | 38分(320verは40分) |
フォーマット | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 |
コーデック | H.264/H.265 | H.264/H.265 | H.264/H.265 |
HDR | ● | ● | ● |
10bit-Log | ● | ● | – |
絞り | f1.8 | f2.8-f11 | f1.8(visible only) |
熱解像度 | 640ver:640*512 320ver:320*256 |
ハードキャリングケースを標準装備!AUTEL EVO II Pro開封の儀
まずはパッケージを開封。機体は持ち運びに便利なハードケースに収まっています。ケースの中身は…
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バッテリーは3本入るスペースがある。左上は充電ハブ用スペース
ハードキャリングケースが初めからついているのは便利
- 機体
- プロポ
- 機体用バッテリー
- 予備プロペラ(CW/RCW)
- USBケーブル(Type-B)
- USBケーブル(Micro USB Type-A→Micro USB Type-B)
- USBケーブル(Micro USB Type-A→USB Type-C)
※レビュー機セットについて。製品版では異なる場合があります。
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機体&プロポをすみずみまでチェック!ライバル機を研究した実用的な機能が満載
機体&プロポを隅々までチェックしていきます。まず見た目はDJI Mavic 2シリーズにとてもよく似ていますが、機体サイズは少し大きいようです(アームとプロペラを広げるとほぼMavic 2と同じサイズ)。デザインも少しメカニカルなイメージ。
全面から比較するとEVO II Proがかなり大きく見える
実際にEVO IIが少し大きいサイズ感
厚み(高さ)がEVO II Proの方が決定的に厚い
1インチのセンサーを積んだカメラも大きめ。レンズカバーは脱着可能なのでNDフィルター等のオプションも期待できます。
誇らしげに「6K」とプリントされたカメラ
レンズカバーは取り外し可能。NDフィルター等が装着可能と思われる
ビジュアルセンサーは全体に12個搭載し前後・上下・左右のすべての面をカバーしています。それに加え、低空高度を検知する超音波センサーと下方LEDランプを備えているので、さまざまな環境下での低空安定性も期待できます。
ビジュアルセンサー(障害物検知用)は前面に2つ
後方・側面・上方にもそれぞれビジュアルセンサー(障害物検知用)が2つずつ装備されている
下面にもビジュアルセンサーが2つ、加えて超音波センサー2つ(画面上方)とLEDライト2つ(中央)
個人的にいじくっててよかったのはバッテリー周りです。本体内部にしっかりと装着できます。Mavicシリーズでは機体の上側にはめ込むタイプなので、夏の飛行時に限界を迎えた一部のバッテリーが膨らんでロックが外れてしまうことがありました。着陸したときに気づいて真夏に冷や汗をかいた記憶があるのですが、EVO IIの機体内部に装着するタイプなら上記のような万が一にも安心できそうです。
バッテリーは機体本体内部にロックされる
プロペラはネジ止めされて美しい流線型を描く
プロポは液晶モニター付きの小型タイプ。高度や距離、残飛行時間等のパラメーター類を確認することができます。また、サイズは小型と言ってもMavic 2シリーズと比較すると少し大ぶりでしょうか。スマートフォンを接続するアタッチメントがプロポ上方にあり、視認性も良さそうです。
構造はMavic 2のプロポに似ているがスマホは上方に装着するタイプ。スティックは取り外しできない
飛行アプリは「Autel Explorer」を利用。アプリの利用にメールアドレスの登録は必要なく、サーバーへの通信もしないという
折りたたんだ状態
上方から見たプロポ。録画・シャッターボタン、ジンバルチルト用ダイヤルがある
筆者的には、外部モニターに出力してクライアントさんにリアルタイムで映像を見てもらったり、プレゼンテーション用に出力したりということが多いのでMavic 2 Pro×Crystal Skyモニターの組み合わせでHDMI出力する機能がとても重宝しています。その点、EVO IIは残念…と思っていたら「LIVE DECK」という映像受信&出力端末(別売)があるではないですか。LIVE DECKを使えばスマートフォンをプロポ用モニターとして使っても映像を外部出力できるので仕事上便利そうです。
LIVE DECKが映像伝送電波を受信しモニタ表示が可能
ひさびさのDJI機のライバルとなりうるEVO IIシリーズ
趣味にも仕事にも使える空撮機といえばDJIの独壇場ですが、AUTEL EVO II Proはスペック上、ひさびさに登場したDJI機のライバルとなりうる実力を持った機体と言って間違いはないでしょう。もちろん、現段階で比較対象となるMavic 2 Proは2年前に登場した機体なので、今後登場が噂される次世代機と比較した際にどうなるかは気になるところですが。
AUTEL EVO IIシリーズは9月29日~30日に幕張メッセで開催される「Japan Drone 2020」でも展示される予定です。気になるかたはぜひ実機も見に行ってみてください。
次回は実際にフライトさせたインプレッションやサンプル映像&画像をご紹介したいと思います。