Insta360 One
先日、注目のVRカメラが発売になりました。「Insta360 One」というその商品は、6軸のデジタル手ぶれ補正を備えた小型の360°カメラです。今回はこのVRカメラとドローンの相性をチェックしたいと思います。
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Insta360 OneはもともとVRカメラとして注目されていました。手元の軸が写り込まず、あたかも外周から360°撮影しているかのような映像「バレットタイム」は映画「マトリックス」のよう。そんなPVが事前に公開されていたためです。
もちろんバレットタイムも注目なのですが、ドローンユーザーとして注目したいのは強力なデジタル手ぶれ補正機能です。VRカメラをドローンに搭載する場合、視野の邪魔になるために通常のジンバルをかませることができません。そのためカメラを機体にぶら下げたり装着したりして撮影をするのですが、御存知の通りドローンは機体を傾かせることで移動するため移動や風のたびに映像も揺れてしまいます。
この「揺れ」が今までのVRカメラでは撮影が難しかったところなのですが、Insta360 Oneでは、その揺れをデジタル手ぶれ補正で吸収することができるのです。例えば、下記はとある同価格帯のとあるメーカーのVRカメラの映像です。樹木に囲まれ風の弱い低空では比較定期安定しているものの、高度を上げると画面が揺れてしまっています。
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高度を上げる(1:38~くらい)と、機体が揺れてその影響が画面に出ている
もちろん、カメラとしても充分な高性能。静止画7K(6912×3456)、動画4K(3840×1920@30fps)で撮影ができます。さっそくこの魅力的なカメラとドローンの相性を検証してみましょう。
機体にカメラを取り付ける
実際に作成したアタッチメントの写真
何はともあれ、まずは機体にInsta360 Oneを取り付けなくてはなりません。基本的には下方にぶら下げることになるのですが、カメラの落下や機体のフライトへの悪影響に注意しなくてはなりません。Insta360 Oneには、一般的なカメラと同じネジ穴が開いています。これを利用して確実に固定するのがよさそうです。
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機体はPhantom4 PROを想定してサードパーティ製ジンバルガードを購入。下面中央に業務用のクッション付強力両面テープでカメラアタッチメントを固定、さらに細いワイヤー2本でカメラアタッチメントとジンバルガードを固定しています。
実はジンバルガードの中央に穴を開けて、カメラ固定用ネジでInsta360 Oneを直接固定することも試みたのですが、機体からの微細な振動が伝わってカメラが震えるという現象が起きました。その対策として、改良版ではクッション付きの両面テープでカメラアタッチメントを固定するという方法で微細な振動を吸収させています。
Phantom4 PRO×Insta360 Oneでフライト!
安全を考え、体育館を使ってカメラをぶら下げた状態でテストフライトを行いました。まずは低空で安定性を確認します。Phantom4シリーズはジンバルの後方に超音波センサーとポジションニングカメラという2つの下方向センサーを備えていますので、ジンバルガードは機体前方、カメラの真下に固定します。これを機体後方に設置してしまうと超音波センサーとポジションニングカメラに悪影響を与えてしまうので注意してください。場合によってはセンサーをOFFにすることも必要です。
まずは体育館でテストフライト。室内であればもはや揺れは皆無に等しいですね。非常に安定した360°映像を撮影することができました。
風のない体育館でフライトテスト。画面の揺れは皆無に近い
次に場所を変えて屋外でフライトをしてみました。あえてノーカット・無編集でお届けいたしますがいかがでしょうか?上空で多少の揺れはありますが非常に安定した360°映像を撮影することができます。
ほとんど揺れがない安定した360°VR映像を撮影することができた
機体とカメラの物理的距離を自撮り棒などを使って遠ざけると映り込む機体が小さくなるのでチャレンジしたかったのですが、軽量な自撮り棒をカメラアタッチメントにかませて体育館でテストフライトをしてみたところ機体が非常に不安定にぶれてしまいました。恐らく、重心位置が変わったためにバランスが取れなくなったと思われます。Phantomでは今回のアタッチメントが限界なのでしょう。
先日はDJIからINSPIR2用35mmカメラも発表され、ドローン用カメラの高画質化は非常に高いレベルまで来ています。しかし、まだまだこの360°VRカメラ×ドローンの分野はこれからです。今後、もっと楽しめるカメラや機体が登場することを期待しています。