ドローンを使って何ができるのかを模索する日々
アロハ!クリエイティブ・ディレクター長澤宏樹です。過去3回に分けてお届けしました、ハワイでドローンを飛ばす実践編、いかがでしたでしょうか?ハワイをはじめ海外旅行を予定している人は、ぜひ現地でのドローン撮影も検討してみてください。訪れた旅行先の上空には、見慣れた日本とは一味違う世界が広がっていて楽しいですよ。米国ではFAAの最新の情報の確認をお忘れなく。
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さて今回は、しばらくハワイ入りの予定がないことから、最近の筆者の日本でのドローンを使った活動を紹介していきたいと思います。相変わらずドローンを使って何ができるのかを日々模索し続けているわけですが、まだ、これといったモノが見つかっていないのが正直なところです。ドローン自体には大いなるポテンシャルを感じていながらも、これをビジネスとして考えたときに何ができるか?そしてどんな付加価値を社会に提供したいのか?そんなことを考えはじめると、なかなか簡単に答えは出てきません。
もちろん既存の映像制作の業務の中で、ドローンで撮影したカットを追加で入れ込んであげる、みたいなことは最近増えてきているのですが、この場合、主は映像制作ですので、ドローンの撮影はあくまでもおまけ的な位置づけです。ドローンをもっと前面に立てながら、ほかではなかなか真似のできないビジネスというのが見つかれば理想的だと思うわけです。しかもそれが、自分が好きなことの周辺に作ることができれば最高だな、と。
そんなことを悶々と考えながらいつもの通り海でドローン飛行を練習していたら、一つのアイデアが浮かびました。それはずばり!「茅ヶ崎ドローン波情報」です。
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筆者の地元である茅ヶ崎の波情報をドローンを使って配信するというものです。サーファーにとって波情報はなくてはならないモノ。波の状況が上空の視点から見ることができたら面白いのではないか?と考えたわけです。早速、思いついたアイデアをカタチにしてみました。ドローンで撮影して簡単に編集して2時間後にはOAという、いわゆる「撮って出し」的な感じの波情報を実験的にやってみました。何回か繰り返しているうちに、気持ちのいいパターンみたいなものが出来上がっていきました。
しかし、やってみてわかったのですが、映像の価値を高めるためには、ある程度のストーリー性を加える必要があります。見ている人が飽きないようにある程度編集してあげる必要があります。そうすると上記映像で、どうしてもだいたい2時間弱の編集やアップロード時間がかかってしまいます。現段階では、あくまでもまだ実験段階なので日々撮影を含めて3時間この作業に取られるのはなかなか厳しいわけです。さて、どう改善したらいいものかと考えていたら、ひょんなことから一つの方程式を思いつきました。それは…。
テーマ×ドローンのライブ配信×プラットフォーム=新しい情報の価値?
ストーリー性を加える以外で、情報の価値を高めるもう一つの方法として「ライブ(生放送)」という切り口があることに気がつきました。肝心なことを見落としていました。特に波情報のような刻々と変化するテーマについては、リアルタイムの情報にこそ価値がありますよね。
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幸いなことに、筆者の使っているDJI MavicProにはドローンで撮影している内容をそのままライブ配信できる仕組みが備わっています。配信プラットフォームとしては、YouTubeやFacebookなどが対応可能になっていて、配信するプラットフォームを選んでライブ配信することで、そのプラットフォームでつながっている人たちにリアルタイムの情報を上空から届ける仕組みになっています。また、ライブ配信した映像はリアルタイム視聴後も、コンテンツとしてストックされていくという、なかなか便利なシステムです。
■DJIのライブ配信方法チュートリアル(英語)
ということで、このドローンを通じて波情報を生放送するというアイデアも、早速カタチにしてみました。こちらの映像は台風5号のうねりが入ってきた日のことです。いまの波の状況をいろいろな角度から見たいというサーファーのニーズにうまく合致したのか、撮って出しの映像より、短時間で多くのビューがありました。ちなみに、編集不要なので撮影からOAに至るまでの作業時間が大幅にカットされるのも魅力的です。
しかし、ドローンを通じてのライブ配信というのは、なかなか勇気がいります。配信中に万が一のことが起こらないわけでもないので、細心の注意が必要なのはもちろんのこと、ドローンを操縦しながら、リモコンとなっているiPhoneを通じて実況を入れていくのには慣れが必要です。これはこれで一つの新しいスキルとして育てていく必要があると思いました。
さて、このように「テーマ×ドローンのライブ配信×プラットフォーム=新しい情報の価値?」という方程式で考えると、ドローンでできることが無数に出てくる可能性があるのではないかなと思います。例えば、
- 地元の自治会のFacebookページをプラットフォームに、防災情報をドローンを通じて配信する
- ハワイ観光局のYouTubeチャンネルをプラットフォームに、各種イベントの今の盛り上がり具合を配信する
- 教育現場での教材の一環として、人間が容易に立ち入ることのできないところからドローン中継し、子供たちとインタラクティブな授業を展開する
まさにこれですね。
まだカタチになっていないいろいろな分野が見えてきますよね。日々ブレストしながら、アイデアをカタチにしてチューニングしていくことで、何かヒット作が見つかってくると思います。
話が若干飛びますが、つい先日も「アイデアをカタチにする技術(ドローン編)」と題したトークショーを、内田洋行氏のUCHIDA-TVにお招きいただき行ってきました。
今回は、最近のドローンのトレンドの話やドローンを使った企画について、さらにナビゲーターのアイビーさんと、吉川琴乃さんにドローンを操縦体験してもらいました。室内なので、ホバーカメラという安全なセルフィードローンを使ったのですが、それにしても、いきなりドローンがホワイトボードに突っ込んだのにはびっくりしました(笑)。今回も生放送でしたがアーカイブ動画がありますので、もし良ければこちらからどうぞ。
UCHIDA-TVの動画
HIROKI NAGASAWAのVLOGでも取り上げています
今回やってみてわかったのですが、ドローンを間近で見たり触ったりしたことがない人たちや、ドローンと言うものを誤解している人たちが意外とたくさんいて、そんな人たちに向けてドローンの話やら実演をするのって、楽しいものですね。
特に、初めてのドローン操縦を教えてあげるのはとてもいいです。彼らがワクワクしているのが、伝播してくる。こっちも、一緒になってテンションがあがっちゃいます。もし、同じようなことをやってほしい、興味あるという方がいましたら個別にご連絡ください。
というわけで、この先ドローン関連のプロジェクト、どのように進展させていこうか?今のところ予測できないし、まだまだビジネスになっていませんが、そこにワクワクする何かがあるのは確かなので、突き進み続けます!次回はどこからお届けしようかな(笑)。またお会いしましょう~!マハロ!
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本編に登場するHIROKI NAGASAWA VLOGはこちらから。定期的に更新していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。
長澤宏樹の初著書 「思いが伝わる!心を動かす!アイデアを「カタチ」にする技術」がアマゾンにて販売中!選ばれる企画をつくるにはどうすれば良いのか。博報堂グループで数々の実績を上げてきたクリエイティブ・ディレクターの著者が、企画のつくり方について、解説している一冊(Kindle版も同時発売中)。