2017年2月17日(金)から19日(日)にかけて、長崎のハウステンボスにてドローンレースと空撮コンテストが開催された。世界最大級のLEDイルミネーションを持つ、パレスハウステンボスをドローンレースのメインコースとして設定し、イルミネーションが際立つ夜間帯の時間を利用してレースを行う、夜間ドローンレースと夜間LED空撮コンテストが日本で初めて開催となる。
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本大会の「ジャパン・ドローン・チャンピオンシップinハウステンボス」は、ハウステンボス株式会社と一般社団法人ドローンレース協会(以下:JDRA)の共同開催で行われ、2016年12月に行われた全国ドローンレース選手権(主催JDRA)で優秀な記録を収めた上位10名と前年大会の優勝者を加えた11名が招待選手として迎えられ、一般参加20名を含めた、ドローンレースの日本一を決める戦いが繰り広げられた。
日本初となる夜間LEDドローンレースの激光体験
壮大なLEDイルミネーションによるドローンレースコース(ハウステンボス/J-17888)
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今回のドローンレースは、パレスハウステンボスのジュエルイルミネーションが全点灯した会場に、さらにLEDゲートが追加され、光のレールの上をレース用ドローンが疾走!夜間レースはFPVクラスのみで行われ、轟々とするLEDの中でパイロットがレースを行った。参加したパイロットからは「想定していた以上に、LEDの光により進路がわかりやすい」「初めてのLEDイルミネーション上のコースでとても興奮した」と初めてのLEDコースに楽しんている様子が伝わってきた。
中央が優勝した岡聖章選手、その左が2位の音田哲男選手、右が3位の矢田篤基選手
1日目はスピードレースの飛行練習、2日目は予選・本選・決勝、3日目はエキシビジョンマッチとして、チーム別対抗ドローンレースが行わた。ドローンレースは目視操作を行うNon FPVクラスと、ゴーグルを装着してドローンのカメラ映像をもとに操縦するFPVクラスの2種類だ。
FPVドローンレースにおいては、予選のタイムアタックで一般参加の20名が7名に絞られ、その後、招待選手11名を加えた18名による本選タイムアタック。トップタイムが抜きつ抜かれつを繰り返すなど、レースの醍醐味を味わうことができた。そこからさらに10名に絞られ、決勝トーナメント。決勝トーナメントでは、順位ごとにトーナメントがわかれ、上位選手同士による激しいバトルが繰り広げられた。
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Non FPVクラスの優勝は池直城さん。FPVクラスの優勝は、数々の大会で入賞実績のある岡聖章さん。今回のFPVドローンレースのコースは比較的スピードを出しやすい箇所が多く、どれだけフルスロットルを入れてスピード飛行し、直後のゲートなどのテクニカルな部分をいかにスムーズにくぐるかが重要になった。
ドローンレースのチーム戦が大白熱!
赤・緑・青チームに分かれ15分間のチーム別の耐久レースが行われた
ドローンレースの多くは予め決められたコースを速いスピードで駆け抜け、順位やタイムを競う個人競技が中心だが、今回行われたエキシビジョンマッチでは、チーム戦による15分耐久ドローンレースも開催された。ルールはシンプル。
- 1セット15分を3回
- 1チーム10人は予め順番と役割(FPV/Non FPV)を決定する
- 2本のポールを1人3周回したら交代して、周回数を申告する
- 最大周回を記録したチームが勝利
というもの。今回は、ゴーグルをつけてドローンの飛行を行うFPVパイロットと、機体の姿勢や方向を目視で確認しながら操縦する目視パイロットが混合でチームを組んで行われたが、操縦するパイロットは、バトン代わりにマントを羽織って操縦を行い、周回数を多く稼ぐためにチームで戦略を考え協力しながら進めるなど、普段のスピードレースにはない盛り上がりがあり、観ていてとても楽しかったが、生放送上は何をやっていたのかよくわからない状態が続いていたようだ(笑)。
ドローンの操作に光と音楽が反応し会場を演出
YAMAHAのプロポと音楽・照明を連動させるシステム
ドローンのコントローラー(プロポ)には2本のスティックがあり、これらを上下左右に操作することで機体の進行を操作するが、今回そのコントローラー操作を上手く活用して行われたのが今回、そのコントローラー操作を上手く活用して行われたのが、コントローラー連動型の音楽・照明演出。コントローラーの操作量に応じて、効果音を鳴らしたり、音楽にうねりを加えたり、照明の色を変化させたり、といった演出が行われた。
仕組みとして、パイロットが利用している受信機と同じものを用意しダブルバインドを行い、受信機から取り出した信号を楽器や照明機器の制御に反映させているという。
パイロットと同じ通信方式の受信機を用意し、楽器や照明機器を自動制御
同システムを開発したのは、楽器や音響機器で有名なヤマハ株式会社。担当者のドローン好きが高じてドローンと関連するシステムの開発導入に踏み込んだとのこと。実際にドローンが時速100kmを超えて飛行している時、ドローンのスピード感がより強調される演出となり、会場をさらに盛り上げていた。
スマートフォンで手軽にFPVドローン映像がリアルタイム受信
観客はモニターに映し出された映像と同じものをiPhoneやiPadで視聴ができる(ハウステンボス/J-17888)
カーレースや競馬に比べてドローンレースは、ドローンの機体自体が小さく目視で視認するのは難しい側面があるが、ドローンに取り付けられた主観映像をモニターに映し出すことで、パイロットと同じ体験をできるのがドローンレースの面白いところ。
ただし、モニターは台数も限られているし、場所によっては観客の方が映像を見れないこともある。そういった問題を本大会で上手く解決したのが、iPadやiPhoneでドローンからの映像をリアルタイム視聴するシステムの導入だ。株式会社テクノマセマティカルの「SyncViewer」を利用することで、親機1つ当たり最大50台までスマートフォンやタブレットでの同時配信を行える。
テクノマセマティカルが提供するデータ配信伝送装置「Wi-Fi Sync Viewer Viewer」
今回は本大会のゴールドスポンサーであったKDDI社提供のiPadを利用して、観に来られたお客様にiPadを配布。実際にiPadを手に取り映像を観ても、ほとんど遅延なくパイロットの映像を確認することができ、観客はパイロットの視点を手元で疑似体験した。
2日間のドローンレース視聴者が延べ10万人突破?!
ニコニコ生放送の優勝決定シーン
本大会ではニコニコ生放送による独占生放送が行われ、2日間で8万人を超える視聴数となり、さらにFacebookライブや実際に入場観戦いただいた方を含めると10万人を超える観客数となり、まさに史上最大規模のドローンレースといえる。ハウステンボス入場者数も前年に比べ大幅に上回る数値となり、ドローンレースの開催自体が良い影響を与えたともいえるのではないか。最後に、優勝した岡貴文選手のFPVドローンレース決勝の映像。最高に、しびれます。
【優勝】岡聖章 決勝飛行映像
ジャパンドローンチャンピオンシップinハウステンボスFPVドローンレース部門