はじめまして。春原(すのはら)です。ドローンの商用活用に関するコンサルティングを行っています。これから、ドローンのトレンド(特に商用活用を中心に)のコラムを書かせていただきます。第1回目は、ドローンの現状を書いてみたいと思います。
- Advertisement -
今なぜドローンは注目されるのか?
現在のドローンの技術向上においては、2001年のテロを契機に、ドローンの軍事活用が本格化し(代表的なものはプレデター)、地球の裏側の敵を暗殺する無人航空機の開発推進が技術を飛躍的に向上させました。(参考文献:リチャード・ウィッテル著「無人暗殺機ドローンの誕生」)その技術が結果的に、民間利用のドローンに活用され、飛躍的なドローンの進歩につながっています。
現在のドローンがなぜこんなにも注目されているのか(今までの空を飛ぶラジコンとどこが違うのか)というポイントにおいては、3つのポイントがあると考えています。
- Advertisement -
一つめが、ジャイロ、モーター制御、GPS等の技術向上により、安定的な飛行が可能になったこと。二つめが、カメラの解像度の向上およびジンバル技術の向上。これにより高解像の映像が揺れが少なく撮ることが出来るようになりました。(これは空撮だけでなく、空からのリモートセンシングにおいても重要です)三つめが、そのコントロールがスマホやタブレットといったもので可能になり、その端末上でアプリケーションを作成し、ドローンに対して、コマンドを送ることが可能になったこと。これにより自動航行であったり、センシングしたデータの活用であったり、そういった業務活用につながりやすくなりました。特にこの三つめは、IoT(Internet of Things、モノのインターネット化)やIoE(Internet of Everything)といったものに発展していく形になってきています。
ドローンは空の産業革命? 多様性を帯びる用途
現在、ドローンは「空の産業革命」などと言われていますが、用途も広がりを見せてきています。まず、皆さんが思い浮かぶのは、空撮分野。映画やCM、観光案内、そして、ニュース映像と活躍の場を広げています。そして、世界的にはここからドローンへの注目が集まったといってもいい、Amazonが取り組んでいる物流。この物流分野は期待されている分野ではありますが、安全性をいかに高めるかという話もあって、都市部での運用はまだまだ先になろうかと思います。
しかし、人への影響の少ない地方部などや工場や倉庫等の敷地内、そして、緊急搬送などから始まる分野になるでしょう。ドローンの用途としては、この2つに注目が集まりがちではありますが、添付の図(調査会社フロスト&サリバン調べ)にあるように、精密農業。監視・モニタリング、地図測量、点検などの分野での市場拡大が見込まれています。日本においても、測量分野では、今まで3日間かかっていた作業が、ドローンを活用することにより、30分程度で行うことが出来るという効率化が図られています。
- Advertisement -
その他、フランスや米国を中心に、精密農業の分野でも、ドローンによる上空からのリモートセンシングにより、そのデータをクラウドに送り、クラウド上で、人工知能を活用することで、圃場における作物の生育状況、害虫や病気、土壌の状況などを把握し、圃場に対して、適正な対応が可能になってきております。今後、日本においても、就農者の高齢化、就農人口の減少が進む中で、ドローンの活用は期待をもって捉えられています。
今後、各産業分野において、様々な形で、ドローンの活用が広がっていることが期待されています。これからも、各産業分野において、具体的な事例を交えた形で、ドローンの現在(いま)を記していきたいと考えています。次回は、米国で開催される商用ドローンの最大級の展示会Inter Droneを通じての米国における商用ドローンの活用の現況をレポートする予定です。