まずは、ドローンやロボット掃除機、AGV(無人搬送車)やサービスロボットなど民生・産業機器分野向けからサンプル供給を開始するという。
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新製品は、3D ToFシステムを用いて距離測定や空間認識を行うLiDAR向けに開発された、超小型面実装タイプの125W×8ch高出力赤外レーザーダイオードアレイです。高放熱基板に設けたサブマウント上に、1素子で8個の発光エリア(各発光幅300µm)を有する赤外レーザーダイオードを設置。
パッケージの発光面には、面実装タイプレーザーダイオードとしては業界初のクリアガラスを用いたガラスキャップを採用しており、樹脂封止品などで生じがちなダイシング時の傷による光散乱の心配もなく、高いビーム品質を実現する。
各発光エリアはカソードコモンで配線されており、発光ポイント数を増やせる個別発光から、業界最高レベルの1kW級超高出力同時発光まで、アプリケーションに合わせた照射方法の選択を可能だという。
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また、従来からロームレーザーダイオードの特長である、発光幅における均一発光強度や波長の低温度依存性0.1nm/℃(一般品は0.26~0.28nm/℃程度)も継承。
アレイ化によるチャネル間の発光強度低下領域を狭くできるほか、バンドパスフィルターによる太陽など外乱光ノイズの影響の極小化が可能で、LiDARの遠方検知・高精細化に寄与する。
生産拠点は前工程がローム株式会)、後工程がローム・ワコー株式会社となる。どちらの工程も車載品質マネジメント規格のIATF 16949を取得済み。また、本製品は2024年度中での車載対応(AEC-Q102準拠)に向けた準備も進めている。
背景
近年、車載ADASはもとより、AGVやドローン、ロボット掃除機など、動作の自動化を必要とする幅広いアプリケーションで、正確に距離測定・空間認識を行うことができるLiDARの採用が進んでいる。
その中で、「より遠く」、「より正確に」情報を検知するため、光源となるレーザーダイオードには「kWレベルの高出力を出したい」、「複数の光源を狭間隔で発光したい」などの要望があったという。
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ロームは、LiDARの長距離対応・高精度化に貢献できる、レーザーの狭発光幅化を実現する独自の特許技術を確立しており、2019年に25W出力の「RLD90QZW5」を製品化したのを皮切りに、2023年には120Wの高出力レーザーダイオード「RLD90QZW8」を開発。
今回、その技術の応用により125W、8ch(1kW級)のアレイ型新製品を開発することで、レーザーダイオードの高出力、高性能化の要求を実現したという。
アプリケーション例
- 車載機器:ADAS
- 民生機器:ドローン、ロボット掃除機、ゴルフレーザー測距計など
- 産業機器:AGV、サービスロボット、3D監視システム(人・物検知用センサ)など