背景と目的
置賜地域の各自治体では、災害時における被災状況の確認・把握については、自治体職員が行っていますが、職員の数が限られ地域全体の状況を確認・把握することが困難な状況であり、また、自治体に対して地域住民から被災状況の通報も頂いているものの、言葉だけの情報では実際の被災状況を正確に把握することが難しいといった課題がある。
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今回の実証実験では、NTT東日本がドローンを使って広範囲の現場状況を撮影し、リアルタイムに映像配信することで、タイムリー且つ正確な情報収集を行い被災自治体における災害対策本部での意思決定を高度化、迅速化することで、置賜地域におけるレジリエンス向上に貢献するという。
具体的な取組みとしては、①当該自治体における過去の災害時の災害データおよび気象予測データをもとに、自治体からの要請を待たずしてドローンを飛行させる体制を確立し、発災前もしくは発災直後の状況を速やかに情報提供、②ドローンで撮影した被災状況の映像をリアルタイムに自治体の災害対策本部等へ配信するとともに、本部からの指示に基づき撮影箇所の調整にリアルタイムで対応、③災害種別として、風水害、林野火災、地震等の災害において被災状況の確認を行いますが様々なケースで災害支援に対応するとしていいる。
実証実験の概要
気象予測データ(降水量予測等)を活用し、事前にドローンを飛行させる体制を確立し、当該自治体へ出動する。NTT東日本局舎や自治体が管理する場所を拠点に当該地域における発災前後の状況をドローンで撮影し、自治体の災害対策本部へ映像配信する。NTT東日本が所有する高精細カメラ搭載の空撮用小型ドローン「ANAFI Ai(アナフィ エーアイ)」と赤外線カメラ搭載の「ANAFI USA(アナフィ ユーエスエー)」および低遅延で高品質な映像配信を可能とするプラットフォーム「VBOLT(ボルト)」を活用します。
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検証ポイント
- ①ドローンで撮影した映像から被災状況をどの程度確認可能か(ドローン飛行箇所から被災場所までの距離、映像の解像度等)
- ②撮影した被災状況の映像によって、自治体の意思決定(避難指示、避難誘導、復旧指示等)にどの程度貢献可能か
- ③ドローンを飛行する為の体制確立に至るタイミングの妥当性(水害を想定した場合、降水量予測を基にした閾値での実行)
実証実験の実施期間等
- (1)実施期間
2024年6月1日 ~ 2025年10月31日 - (2)実施場所
置賜地域3市5町(米沢市、長井市、南陽市、高畠町、川西町、小国町、白鷹町、飯豊町) - ※各自治体の実施時期・場所については今後調整予定
今後の展開
今回の実証実験により、各自治体の意思決定支援に対しての有効性を検証し、本格的な展開に向けて検討を進めていく。また、これらの取組みを通じ、地域の情報を統合的に管理、分析し自治体の意思決定を支援する機能(地域オペレーション機能)を今後提供していくという。