2016年8月、ノルウェーのスタートアップStaakerが、同社初となるドローンをローンチした。クラウドファンディング向けやプロトタイプではなく、しっかりとテスト済みで市場に投入されたこともあり、多くのメディアに取り上げられた。
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Staakerは、雪山での映像が少なすぎることに嫌気がさし2013年に起ち上げられ、3年かけて50個ものプロトタイプを制作した果てに、自律撮影ドローンを完成させた。同社が目を向けているエクストリームスポーツ市場は確かに参入の余地のある市場だが、それ以上に、同社のドローンの仕組みが、他社とは少し違っている。Staakerはこのドローンを「次世代の」パーソナルフィルミングとしている。動きをトラッキングするのではなく、動きを予測できるからだ。同社創設者兼CEO OJ Seeland氏は次のようにコメントしている。
Seeland氏:トラッカーから得られたデータを使って、次に何をするかを予測する。小さなサインを拾って、それに反応する。Staakerはどんな競合相手にも勝つことができるだろう。いつでもどこでもチャレンジを受け付けている。
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同ドローンは最高時速が約80km、あらゆるアングルから撮影が行え、5つの追跡モードを搭載している。山、海、川などあらゆる冒険の撮影が可能だ。Staakerにカメラは搭載されておらず、代わりにGoPro HERO3、GoPro HERO3+、またはGoPro HERO4が装着可能となっている。また、ジンバルが収納され、着陸時にカメラが地面にぶつかることを防いでいる。
ここ数年で、北極圏やハワイまであらゆる過激な場所でテストを行ったStaakerは、折りたたみ可能なため旅行にも打って付けだ。更にAppleやMicrosoftのプロダクトの生産を手掛けるFoxconnが2016年12月までにStaakerドローンを生産するという情報もある。現在プリオーダー受付中で、価格は$1195(約12万2千円)となっている。
同社は何故、多くのドローンスタートアップが利用するクラウドファンディングを利用しなかったのだろうか?Seeland氏は次のようにコメントしている。
Seeland氏:普通のクラウドファンディングキャンペーンよりももっと先へ来たからだ。また、Kickstarterのビデオを作るのではなく、我々のプロダクトで何が撮れるかを見せたかった。我々のローンチフィルムはまさにその象徴だ、あの映像のほとんどが我々のプロトタイプで撮影したものだ。
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たしかに、複数のクラウドファンディングプラットフォームでドローンの大失敗があった中で、合理的な判断である。ZANOは見事に失敗となり、Llilyドローンやは3千万ドル以上を集めた上でなおリリースが遅れている。Seeland氏はこうしたドラマは体験したくないようだ。
Seeland氏:顧客にとって最良なプロダクトを開発し、会社も大きくしていきたい。世界中でテストして学んだことが沢山ある。例えばスヴァールバル諸島では北極圏との距離が近いが故に正しい方向を向かせることが難しかった。またハワイで撮影していた時には、大きな波の塩水のしぶきがベアリングに少しずつ影響を与えていくことが分かった。
同社は各追跡モードのプレビュー動画をいくつかYouTubeでリアップしているのでこちらも要チェックだ。